輪るピングドラム 第12話「僕たちを巡る輪」

今までに増して衝撃的展開すぎてなんと言ったら良いのやら。まさか高倉家の両親が犯罪集団の幹部だったとは? だから写真を隠していたのか。いや、そんなことより何より「16年前」と「霞が関」。この符合は明らかにオウム真理教による地下鉄サリン事件の示唆ですよね。もちろんフィクションなのでいろんな部分は変えてあるのでしょうが、まさか今作が実際の事件を思わせる表現で斬り込んでくるとは、あまりに予想外でした。初回からたびたび出てきた「地下鉄」のモチーフはそういうことだったのか……。そしてもしかしたら、やや不自然にも感じられた高倉兄妹の地下鉄ルートは、事件の起きた路線を外していたということなのでしょうか?(検証はしてませんが)。


もう16年、されど16年。もしかしたら20歳以下くらいの若いアニメファンはピンと来ないくらいの歴史的出来事になってしまったのかもしれませんが、あの悲惨な事件の生々しさは今も強く残っています。果たしてそんな出来事をどのように描くことができるのか、不安も覚えますが、あえて挑戦するスタッフの意気込みに期待したいです。


しかし、今回の話はそれだけでは終わらず。女王様がいつになく優しいと思ったらエネルギー切れで帰還。それは当然に陽毬の死をも意味した……。陽毬の鼓動とともに消えていく3号。あんまりだ、これじゃあんまりだ。冠葉晶馬のみならず、そう叫びたくなってしまう悲しいシーンでした。次回以降はどうなるのか……。今こそ陽毬の生存戦略が必要ですよ。


また、気になったのは、高倉父が「男の子が生まれた」という知らせを受け取っているところで「双子」であることに言及していない点です。普通双子だったら「二人とも男の子」とかいうでしょう。ということは、どちらかは陽毬と血がつながっていないということで、もしや苹果が見抜いた「家族を演じている」というのはそうした意味なのでしょうか。奥が深いなあ……。