輪るピングドラム 第5話「だから僕はそれをするのさ」

ここ2回くらいは苹果の周辺でうろうろしていて、いささか進展が遅い感じでしたが、ここでまたグッとアクセルを踏んできましたね。


まずは冠葉の回想から。9年前の嵐の中、父について陽毬を病院まで送り届けたという描写。その頃はまだ両親と同居で、ついでに言うと高倉家もシックな色合いでした。しかし、現在家は売られそうになっており、「おじさん」は両親が戻ってこないといいます。戻ってこないということは亡くなったわけではなさそうですが、優しそうな二人が子供を捨てるとも思えず、一体何があったのか? 本作の重要なポイントとなりそうですね。


「ご利用は計画的で」の地下鉄CMがなにかと思ったら、直後に冠葉が怪しげな人からお金を受け取ってました。そこまでしないと家の売却を止められなかったということでしょうか? おじさんは人は良さそうでしたが、かなりお金が苦しいのかなあ……。いずれにせよ、こちらも後が心配な話です。


一方、苹果。やはり両親は離婚したようで、父親との面会日でした。まだ「パパの大切なの宝物でいたい」という苹果の独白は、親孝行といえば親孝行ですが、一方的で夢見がちな彼女の性質の現れでもありますかね。そして、親の愛を期待しても十分に与えられない寂しい現実も描かれていました。う〜ん、これだけなら「かわいそうな純真な子」と言えなくもないかも。でもやっぱりその後の思考は怖いんですけど。


「良かったらあのノート、貸してもらえないかな」


さすが昌馬、ストレートに話を進めてくれて良いです。そして2話ぶりの「生存戦略ぅ〜!」


女王様がこれでもかとばかりに苹果を罵ってくれちゃいますが、それでも「腐った妄想の垂れ流し、もとい運命日記とやら」を欲しがっているということは、やはりあれがピングドラムなのか関係品なのか。ともあれ、これで日記入手かと思いきや、そこから苹果が拘束をぶっちぎって走りより、女王様の帽子をはぎとるという驚愕の展開に! さすが幾原さん、予想の上をいってくれます。


クライマックスは、帽子を取り戻すべく奮闘した冠葉の、トラックに追いすがるハイレベルなアクションシーン! マジックハンドのペンギン1号と合わせて、かっこ良かったです。「陽毬を守る」の心は、父からしっかり受け継いでいました。


なんだかんだで苹果との仲も深まった高倉家。これで苹果がある程度協力的になってくれると良いんですけどねえ。