俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第15話「俺の妹がこれで最終回なわけがない」

ウェブ配信も順調に進んで、無事に最終回となりました。いやまあ、サブタイでは最終回否定されちゃってますが(2期あるんですかね?)。


桐乃からのメールを受け、アメリカへと飛び立つ京介。京介が決意するのに黒猫の後押しを必要としたのに対し、独断すぐさま出立しようとしていた父親は年季が違うというか、さすがの娘愛ですね。それにしても京介氏、英語は大丈夫だったのでありましょうか?


そして桐乃、メインヒロインが久々登場です。勇んで留学したものの、結果を残せず苦悩する日々。家族友人に連絡しないのも、そんな自分を奮い立たせようとする願掛けでした。ああ、このへんは実に桐乃らしいなあと、思わず納得。


結果的に、桐乃は京介の説得に応じて帰国することになりました。桐乃からすれば、言わば「逃げ」であり「敗北」であったことは否めないでしょう。どさくさ紛れの一勝でなんとか面目を保ったとしても、彼女自身、その傷は消せていないはずです。


この点については、本作が京介視点であり、また、どちらか言うとオタクネタ優先である以上やむを得ないのですが、桐乃の過去の陸上での戦績や、かけてきた思い、留学中のエピソードが丹念に描かれていれば、さらに興味深いものになったのではないかと惜しまれるところです。万能であるようで、それだけで勝てるほど飛び抜けたものはない。そんな桐乃の等身大の悩みを感じさせられました。もっとも、彼女にはそんな悩みを忘れさせてくれるだけの趣味があり、友人たちがいて、大切な家族もいる。きっとまた傷も癒え、元気に歩んでくれるはずです。



原作未読で期待値も低めだったのですが、面白い作品でした。ただ、中学生がエロゲーとか、高校生が部活でエロゲー製作して応募とか、本作の倫理観に一部ついていけないところがあったのも事実。以前も書いたのですが「面白い作品だけど、好きな作品とは言いがたい」という感覚が最後まで残りました。この辺は相性ですかね。


物語的には、桐乃が京介に助けられるパターンが基本で、兄妹仲が良くなるのは結構ですが、兄依存になってしまうのではないかといささか危惧も感じたり。バランス的に、たまには桐乃が京介の助けになるようなエピソードがあっても良かったのではないかと思いました。