花咲くいろは 第11話「夜に吼える」

ついに発表された雑誌の旅館レビュー。喜翆荘の評価が低いことに愕然とした緒花は怒りに震え、訂正させようと動き出します。電話を掛けるだけでも「緒花が勝手に抗議したら駄目だろう」とハラハラさせる行動でしたが、さらにはスイの静止にもかかわらず、一気に東京の出版社まで飛び込んでいきます。近頃は多少丸くなったかと思いきや、久々に彼女らしい、思い込んだら一直線の常識読めなさぶり。これも岡田脚本ならではでしょうか?


なんだかんだ勢いで担当者を突き止めたところまではすごかったですが、件のライターは実は母の皐月だった! いや、これには僕もびっくりでした。第9話でそれっぽく出ていた女性客はミスリードだったんですね。やられました。そしてここからの母娘の会話が熱く、また深い。緒花は皐月を芯から嫌っているようには見えませんが、積年の恨み辛みが相当深いことも間違いないようで。環境の割にはよくまっすぐに育ったなあと感心してしまうほどなのですが、今回のエピソードを見ても、緒花は意外と感情を溜めては爆発させるような激しさがあるんですね。そういう多面的なキャラ性も彼女の魅力、とも言えましょう。


これだけでも十分濃いエピソードなのに、さらに孝一との再会もありました。池袋の大きな本屋といえばジュンク堂ですね。久々に出会って、どこか戸惑っている、近くなったり遠くなったりで距離感を掴めない。そんな雰囲気の描写が見事でした。


「ちゃんと返事しないなんて失礼だよっ! それって……」


孝一への言葉が、そのまま自らに当てはまることに気づいてしまった緒花。でも、すぐに答えを出すことはできず、かといって笑って誤魔化すことすらできない。結局そのまま別れてしまう二人ですが、「それでいいのか、緒花?」と思ってしまいましたよ。流れ的にはいよいよ徹と近づきそうですが、次週予告も結構シリアスで、またもやハラハラです。