C 第9話「collapse(破綻)」

ついに始まった「C」。それはまるで巨大台風のような破綻の連鎖でした。シンガポールは国ごと消え去り、かろうじて残った街も、その姿を大きく変貌させてしまいます。そしてそのまま日本を直撃。未来を犠牲にしてでも「現在」を守ろうとする三國との攻防やいかに!


現実と虚構を上手くおりまぜて、現実の金融経済界で起きている事象を、より強烈に、比喩的に見せてくれるのが本作ですが、今回はまさにその真骨頂でした。アジア危機やリーマンショックをモデルにしたのであろうという展開でしたが、消え去っていく人や建物をビジュアルで見せられると迫力、恐怖感が十分。シンガポールの人が見たらどう思うだろうかと心配してしまうほどです。さらに、未来を消し去ってお金に変えていく金融街輪転機も「金の持つ魔力」を象徴的に示しているかのようでした。


国の消滅こそまぬがれたものの、GDPはほぼ半減し、国民の気力も消え去った日本を見て肩を落とす三國。彼が頑張ったからこそこの程度で済んだのか、それとも彼がいなければここまでひどくならなかったのか、難しいところですが、はっきりしているのは、このままではダメだということです。


公麿と真朱の微妙な関係も面白いですが、主人公として、そろそろビシっと立ち上がる時が来たようですね。


……ところで、羽奈日の彼氏さんはどうしてるんでしょうか? 知らないうちに消えてたなんてオチの無いように願いたいです。