C 第6話「conflict(葛藤)」

回を増すごとに、物語が興味深さを増して来ました。これまで公磨に大きな影響を与えてきた三國の方針に対して、真っ向から異を唱えるアントレが二人。ジェニファーは金融街そのものの消滅を企図し、宣野座はミダスマネーの現実世界への流入を食い止めようとしていましたが、いずれも、世界の将来を奪うミダスマネーを否定的に見ているという点では同じ。一方それに対し、三國は「現在があってこそ将来がある」と確信しており、宣野座の話を「強い者の論理」と切り捨てます。果たしてどちらが正しいのか。簡単には答えは出ません。


この話におけるミダスマネーって、乱暴に言えば国債のようなものですよね。現在のインフラや社会保障を維持するためにどんどんと将来へ向けての返済額が増えていってしまう。容易に削ることはできず、さりとてむやみに増やしてもつはずがないというジレンマ。ただ、ジェニファーも言っているとおり、頭の良い三國がその限界を考慮しないはずがないとも思えます。現在の応急処置のために未来を消費する戦術の先に、何か目指すものがあるのでしょうか?


今回のエピソードで好感を持てたのは、単純に宣野座を世間知らずのお坊ちゃんに仕立て上げるのではなく、本当に援助の覚悟を持った人物として描いたことです。ディールに負けても、彼のボランティアの志は変わりませんでした。


「感じ悪い」「感じ良い」


公磨と真朱の印象がまっぷたつに分かれましたが、どうやら真朱のほうが正しかったようですね。そう思うのは、個人的に宣野座の意見に(やや)同情的だからかもしれませんけど。三國には「甘い」と叱られそうです。