花咲くいろは 第2話「復讐するは、まかないにあり」

うん、やっぱり良いですね。展開が暗くなりすぎることだけが心配だったのですが、そこは主人公の緒花、悩み落ち込みつつも、あくまで前向きな行動力を失わない元気さに救われます。


さて今回、女将のスイは菜子を緒花の指導係にします。これは当然というか、ちょっと遅すぎたくらいの措置かと。前回は「本当にお客様第一なら、素人を監督もつけずにふらつかせてたら駄目だろう」と思っちゃったもので。ただ、その菜子も指導係としては未熟で、必要なことも伝えられず、またひと騒動が起きてしまいました。


原稿が無くなったと怒る作家に対して、毅然と対応するスイは確かに名女将の風情。従業員に畏敬されるだけのことはありますね。ただどうなんでしょう。旅館の女将としては正しくても、孫娘に対しての情愛が薄すぎるような気もしてしまう。もっと言えば、緒花の母親がああいう人になってしまったのも、スイが厳しく育てすぎたためではないか、というところまで考えてしまうんですよね。あるいはその反省もあって、あれでも緒花には気を使っているのかもしれませんが……。


授業参観に出る約束を破り「他人を信じるな」と言い放つ母親ですか……。緒花は緒花で、その母の教えで割と歪んだ世界観を持ってしまっている様子はありますが、それでもまっすぐなのは、本来の気性なのですかね。今回意外だったのは、彼女が仕事に熱心に取り組みたがっていたことです。それは「悔しさ」から来たものとはいえ、ふてくされずに見返そうと動いてみせるのは、やはり彼女の真面目さだと思います。「死ね」とつい口に出してしまった自分を恥じ、反省する姿も良いです。


そして、最後はうじうじせずに、ぶつかっていくこと。民子に対しての


「死ねはやめようよ!」


はまったく同感で、胸がすっとしました。「人に期待すること」を心がける緒花に、どんな変化が訪れるのか、注目です。ただ、「空気読まない」のは別に無理にやめる必要もないし、性格が簡単に変わるもんでもないと思いますけどね。彼女は彼女のまま、堂々としていれば良い気がします(少なくとも他人に「死ね」なんていう人に「空気読んでない」なんて言われたくはないなあ……)。


多分、民子が暴言を謝る日がそのうち来るのでしょう、というか来てほしい。いずれにせよ、本作はどうやら緒花だけではなく、民子や菜子の成長物語でもありそうです。……ただ、男女共に楽しめそうな作風の反面、メインのターゲット層がどのあたりなのか、ちょっと測りかねたりもします。アニメファンが幅広く見ればOKというところなんでしょうか。