フラクタル 第11話「楽園」

終わってしまいましたか。終わってしまいましたねえ……。う〜ん……。


最後、エレベーターで宇宙の植物園に上がったところから先は結構良かったと思います。が、いかんせん、それまでの展開には説得力も盛り上がりも欠けていました。以前も感想に書いたのですが、フラクタルシステムというのが結局どういうものなのか、いまいち良く分からなかったです。賛成しようにも反対しようにも、良く分からないのではどうしようもありません。


また、エレベーターでのクレインのセリフにも現れてましたが、制作スタッフは僧院もロスミレも単純な正義にしないよう、配慮していたように見受けられます。それはそれで良いと思うのですが、反面で展開的には僧院が思い切り悪役になっており、いささかアンバランスな感でした。おまけにバローが小物感たっぷりで、敵方としての魅力が無いのも痛かったです。クレインは意外と主人公らしく頑張るシーンもあったのですけどね。


物語に戻りますと、フラクタルシステムの礎となった「神」は退行現象をおこした16歳の少女でした。……まあ、原因に虐待かなんか想像しちゃいますね。そんな少女の犠牲によって世界平和が組み上げられた、というのもぞっとしない話ですが、これは「セカイ系」への皮肉かなんかなんですかねえ。


ラストは1年後。以前の家で、以前とは少し違った生活を送るクレイン。そして目覚めたフリュネ。ネッサが混じったフリュネが可愛かったことは認めつつ、もうちょっと「溜め」が欲しかったかなあ。ところで、クレインの父親はともかく母親のドッペルは健在なんでしょうか。そんなところが気になったり。


さて。それにしても、こうして終わるとやっぱり山本監督の「失敗すれば引退も」発言を思い起こしてしまいます。何をもって失敗と判断するのかは分かりませんが、個人的には、少なくとも成功とは言えないだろうと思いますね。11話という短い尺が一つの大きな要因ではありましょうが、それは初めから分かっていたこと。もうちょっとうまく描くことができたのではないかと思えてなりません。


あと、これは初回感想で触れたことですが、OPはやっぱり2回観る気が起こりませんでした。目が回ってしょうがないのです。大いに作品のアピールをするはずのOPが弱いのは結構マイナスだったかもです。