最強武将伝 三国演義 第52話「つわもの達よ」

最終回。とうとう最後まで見てしまった自分に驚きます。


司馬師の死により政権を一手に担った司馬昭は、トウガイと鍾会に命じて蜀を攻略する。劉禅はなすすべもなく降伏し、姜維は反乱を画策するも失敗して自害。さらに魏をのっとり晋を建国した司馬炎が呉を滅ぼして、三国は統一される。ラスト2話は超ハイスピードでしたが、晋による統一まで描いたところはしっかりしてましたね。


さてこの作品、言わずと知れた超有名原作を日中合作でアニメ化ということで、なかなか興味深い存在でした。近年は恋姫†無双とか一騎当千とか派生作品ばかりが目立っているので、原点に戻るという意味でも価値があったような気がしますね。もっとも、どの程度見られたのかは定かではありませんが、


出来として、とにかく一番特徴的だったのが、その展開の速さでしょう。どんな物語にも緩急があってこそ盛り上がるものと思いますが、今作は全編これ「急」というありさまでした。第1話で黄巾の乱終結したところから驚きましたが、曹操の死ですら「曹操は病死した」のナレーションで片付けられたのはさすがにどうかと思いましたよ。こんな調子で溜めがないので、周瑜孔明赤壁の戦い曹操を打ち破った時も、劉備がやっとのことで蜀を手にいれた時も、いまいちカタルシスに欠けたのは残念なところです。


かつて横山光輝三国志のアニメは赤壁の戦いまでを1年でやったということですから、ペース的にはその倍以上、尺の都合は理解できますし、むしろその中で良くやったとは思うんですけどね。また、見ていて少なくともだれることが無かったのは、このペースの貢献とも言えましょう。


評価すべきは、最初から最後までヌルヌルっと動いていた作画面。特に馬や弓矢などの描写は迫力ありました。序盤は時々ジャギーが出てましたが、後半は目立たなくなりましたし。まあ、兵士が少なかったり、妙な戦い方をしてたり、孔明が急に老けていたりといった演出面でのつっこみどころはありましたが、そこはそれ。


傑作とは呼べないでしょうけど、楽しめた作品でした。