魔法少女まどか☆マギカ 第8話「あたしって、ほんとバカ」

今となっては、今作のOPを見るたびに、この明るさはなんだろうなあ、と不思議に思ってしまいます。これは、まどかが2話くらいの時点で思い描いた魔法少女像だったのでしょうか。それとも、どうにかして未来に訪れる光景なのでしょうか。「宇宙の法則をねじ曲げることすら可能」なまどかなら、こんな世界を作り上げることすらできるのかもしれません。まあ、そうだとしてもなんだか悲しい話のようにも思えますが……。


無理な戦い方が響いて、さやかのソウルジェムは消耗していきます。心配するまどかに言い放つ、


「だったらあんたが戦ってよ」


が冷たい。さやかさん前と言ってることがぜんぜん違いますよって感じですが、これは彼女の心が弱いのではなく、魔法少女の精神状態は普通の人間以上にダメージを受けやすいと理解すべきなのでしょう。次第になんのために戦っているのか見えなくなり、その絶望がさらに心をねじ曲げる負のスパイラル。そんな折に電車内の男達のような下衆な会話を聞いては、こんな奴らのために戦いたくない、という気持ちになるのも分かります。


一方まどかはキュゥべえの執拗な勧誘を受けてとうとう魔法少女になろうとしてしまいますが、そこをほむらに阻止され、いや救われました。キュゥべえに容赦なく攻撃を打ち込むほむらが素敵。しかし今回はちょっと、まどかの行動に感情移入しにくかったですかねえ。あれだけほむらに忠告されているのにキュゥべえの口車に乗りそうになったり、とめるほむらを置いて去っちゃったり。彼女も彼女でいい加減ストレスがたまっていることは想像に難くありませんし、いまは「さやかを助けたい」という思いだけが強くなりすぎてしまって、視野が狭くなっちゃっているのかなと。


殺されても出てくるキュゥべえあらためインキュベーター。そしてほむらの時間軸移動も確定的になりました。彼女がなんども同じことを繰り返し、まどかを守ろうとしていることは察せられますが、そこにどんな過去があるのか、気にならずにはいられないところです。


魔法少女の絶望は呪いを生んで、やがて魔女と化す……。なんとかさやかには助かって欲しい。でも、なんだか望みが薄いような気がして、祈るばかりです。