フラクタル 第6話「最果ての町」

まだ第6話か、と感じるということは、それだけ密度が濃いってことですかね。まあ途中で休みが入ったこともありますが。今回はフラクタルシステムの圏外に入ってしまった町の話でした。これまではやや茫洋としていたフラクタルシステムのイメージですが、今回で割とはっきりしたような。要するに、電波を利用した仮想空間システムですか。携帯みたいに圏内とか圏外とかいう区分があるのが面白い。できた当初は世界中のすべてが圏内だったのかもしれませんが……。


ロストミレニアムの別派閥であるアラバスターが登場。本人に知らせずターミナルを取り去ってしまう手法は乱暴ですが、市民の「多少の犠牲」を厭わない点ではグラニッツと変わらないような気もします。


よく分からなかったのは、フラクタルの光景が見えているのにもかかわらず、谷底に落ちてしまったりする点。システムが上書きするのは視覚だけってことなんでしょうか。でもそれじゃ建物も通り抜けちゃうでしょうし、日常生活送れないでしょう。そうなると、あれはあくまで、おじさんの技術とアンテナでは限界だったというだけなんでしょうか。なんだかこの辺は電脳コイルを思い出しました。


よく分からないといえば、もう一つ。現在のフリュネの行動原理がいまいちつかめません。グラニッツに賛同しているわけでもないでしょうが、なし崩し的に軟禁状態ってことなんでしょうか。脱いだり泳いだり走ったり怒ったり盗んだりとなかなか元気な行動を見せてくれてますが、いや、盗むのは駄目でしょう……。あれおじさんの大切な家族写真でしょうし、もし元データが残ってなかったらシャレになりませんよ。


「私はこの赤ん坊を知っています」
「誰?」


エンリならずとも、誰? と聞きたくなってしまうところです。髪の色やら趣味やらからするとクレインってことになりそうですが、だったら言えば良いのに、と、ちょっと腑に落ちなかったり。というか、赤ちゃんの頃の写真で判別がつくフリュネは、その手の能力でもあるんだろうかと思っちゃいました。