魔法少女まどか☆マギカ 第7話「本当の気持ちと向き合えますか?」

ここ数回、さやかメインでストーリーが進んでいますね。最初は脇役の友人その一かと思ってました。すみません。


自分の体がもう抜け殻でしか無くなってしまったという衝撃。キュゥべえに明かされた事実により、杏子との対峙はそのままうやむやになった模様です。まあそりゃそうでしょうね。苛立つさやかに、相変わらず淡々と解説するキュゥべえにはある意味感心でした。説得力を出すために、お腹を貫かれた苦痛まで与えるとは冷酷非情なり。もっとも、彼自身はほむらも言うように、悪いとも冷たいとも思っていないのでしょう。


「君には叶えたい望みがあったんだろう? それは間違いなく実現したじゃないか」


キュゥべえを擁護するわけでもないですが、これもまた事実なんですよね。この世の法則すらねじ曲げる奇跡は、一人の命をかけるくらいでは安すぎるくらいかもしれません。キュゥべえがなぜそんな「大安売り」をしてまわれるのかも怪しいのですが、さやかも理屈ではそれが分かってるのでしょう。そして、恭介を助けたことを後悔したくないという思いから、それ以上の文句は言えない。……でも、相当無理をしている感はあります。


思うに、さやかは魔法少女という存在になった自分が、まだ人間なのか、それともそうでないのかというところで混乱しているのではないでしょうか。ほむらや杏子はもう「魔法少女は人間とは違う」という方向である程度割り切っているようですが、さやかは(そしておそらくマミも)、「人間である自分」を捨てたくはないのでしょう。だから今まで通り学校に通ったり、まどかや仁美と笑い合う日常を過ごそうとしている。さやかが杏子のリンゴの出どころを気にしたのは、「人間社会のルールを破りたくない」という意識の表れだったのではないでしょうか。


しかし、さやかは仁美に恭介への思いを聞かされ、今の自分が「ゾンビ」であることをあらためて突きつけられます。痛みを完全に遮断して笑いながら魔女と戦う(影絵調がスタイリッシュでしたね)さやかは、もしかしたらあきらめにとらわれてしまったのかもしれません。彼女の行く末が心配です。