薄桜鬼 碧血録 第22話「夢幻の薄桜」

戦いの果てに桜のごとく散った土方。最期まで誠の志を掲げて、新選組の仲間たちのところに行ってしまったのですね……。ラストの尺が微妙に足りない感がありましたが、歴史的に見て土方の死が免れない以上、作り的にはこれしかない終わり方だったと思います(最後の土方の言葉で多少ぼかしてはありますが、いまさら今作が歴史を無視するとは思えないので)。蝦夷共和国の行方が気になるので、一言後日談的説明は欲しかったところですが。


最後に来てこれまでの分を取り戻すかのような土方と千鶴の絆が印象的でした。互いに信じあう強い想い。アニメを見て純愛という言葉を連想したのは久しぶりような気がします(男性向けのアニメだと弱い部分なのかも)。それだけに、最後取り残された千鶴がかわいそうであり、また心配にもなりますが……。強い彼女のことですから、きっと立ち直ってくれると思います。


思えば2期、2クールに渡って楽しませてくれた作品でした。女性向けと敬遠せずに最初の1話だけでもチェックして良かったです。いきなり、千鶴の可愛らしさにやられてしまいましたからねえ。彼女のような凛とした強さと純情さを自然体で持っているキャラは貴重。これまた男性向け作品で欠乏しがちな部分に感じられましたよ。もちろん、次第に男性キャラの魅力も伝わってきました。


序盤は地味な感もありましたが、戊辰戦争の勃発から、歴史の大きなうねりに巻き込まれ、一気に緊迫感がアップ。次々と仲間が消えていく展開は、史実を基にしているだけに切ないばかりでありました。ただ、冷静に考えると鬼とか羅刹とかはさほど物語に関係なかった気もしないでもない。後半は単純に歴史ドラマとしての面白さがほとんどでしたからね。まあ原作ではもっと重要なのかもしれませんが……。


あと付け加えることは……OPのかっこよさは今期のアニメでも一番だったかと(少なくとも僕が見てる中では)。何回も見直してしまいます。惜しむらくはハイビジョン画質でなかったことであり、作画が良いだけにこればかりは残念。


ともあれ、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。