ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第9話「台風一過・虚像ト実像」

クラウスに憧れるクレハの可愛らしい姿が見られるかと思いましたが(いや、実際見られたのですが)、それだけでは終わらない重さと渋さを感じるエピソードでした。


「奇跡のクラウス」は実は赤の他人だった! 正直、これはかなり驚かされました。予想だにしなかったといいますか。なるほど、今にして振り返れば、そんな優秀な軍人が何で辺境で通信兵をやっているのかとか、色々思い当たってくるんですが、こちらはクレハの言葉を疑いませんでしたからね。やられましたよ。


臆病で勤続年数だけが長い通信兵。それが彼の実像でした。しかし、そんな彼もクレハの危機に、本当の英雄になることが出来た。それもまた、一つの実像だったのではないでしょうか。憧れはピンボケで時に重荷でも、それが人を成長させ、踏ん張らせることも出来るのですね。カナタにとっての憧れとも言えるリオは、その想いに受けて、悩みを断ち切ることが出来るしょうか。そしてまた、今作で一番の憧れの対象となっているイリア公女。彼女もまた、虚像と実像の差に苦しんでいたのでしょうか? そのあたりが今後のテーマになってくるようにも思われます。


そしてもう一点、今回はタケミカヅチが始めて活躍できました。「人を殺す兵器」では無く、「人を救う道具」にできたことは、ノエルにとっても嬉しかったのではないでしょうか。