ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第7話「蝉時雨・精霊流シ」

フィリシアさん、戦場経験者だったのですか。あんな戦車の砲弾飛び交う中で、ラッパ信号の意味があるのかどうか、という気もしますが、いかんせん無線は廃れてしまったようで。


ついさっきまで隣に生きていた同僚が一瞬で命を失い、自分だけが生き残るという残酷な経験。戦争というのはあまりにも悲惨で、不幸を生み出すばかりだと感じさせられます。


「こんな世界で生き延びることに、意味はあるのかい…?」


兵士の霊(?)の言葉は厳しいものでしたが、それを否定するかのように鳴り響いた音は、暗い世界のなかでも希望と勇気を与えるようで、感動的でした。


しかし、フィリシアを救い、リオとカナタの憧れなその彼女も、もうこの世界にはいないようです。あまりにも多い犠牲者。セーズの街の「お盆」、フィーエスタ・デュ・ルミエールで、静かに死者に祈る人々の姿と灯篭が印象的でした。


1クール作品とは思えないほどゆったりと歩む本作ですが、今回を見て、なんとなくやりたいことが分かったような気がします。人類は滅びの道を歩んでいて、戦争という大事すら過ぎ去った停滞する時代を、それでも元気に生きる人々の姿、そして過去への鎮魂。そうした日々を静かに描くことを目指しているのではないでしょうか? だとしたら、このまま大きな事件が起きずに終了しても、分かる気がしますね。


……まあ、僕の勘違いで、今後急展開でタケミカヅチが派手に戦場で活躍とかあるかもしれませんが、そこはそれで。