「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」

やっぱりなのは(1期)は傑作ですね。


劇場版なのはを鑑賞して、まず残った印象がそれでした。バトルの熱さで言えばA’sも傑作でしたが、A’sは後半のストーリー展開にやや消化不良な感があり(すずかとはやての関係をもっと生かせれば良かったですね)、物語の完成度ではやはり1期に軍配が上がります。続編を否定するつもりは全く無いのですが、本作のラストを観ると、「なのはの物語はここで間違いなく綺麗に終わっているなあ」という感も湧くのでした。


なのはとフェイトが友達になるまでの日々。まっすぐな少女達の想いはまさにリリカル。特に、劇場版ではよりフェイトがクローズアップされてました。プレシアが深く描き込まれていることに加えて、アリシア、リニスまで出番があり、後半はもうフェイトが主人公といった趣。ぐっと感情移入できましたよ。


もっとも、逆にその分、なのはが地味というか。まあ元々、彼女は達観したようなところがありますからねえ……。そこが魅力でもある反面、「良い子過ぎ」という不満にもつながってしまうのは、TVシリーズ同様でありました。


迫力の戦闘シーン、熱く優しいBGM、そして上述の秀逸な物語。ファンならば間違いなく観ておく価値はありますし、Fateと違い、初見の人でも十分に楽しめる作品になっているかと。正直、まだ数年前の作品をわざわざ劇場でやり直す意味はあるんだろうかという疑問も少々残るんですが、傑作がパワーアップして観られるのですから、素直に楽しむのが一番ですかね。


ただ、あえて言うならば、なのはとフェイトとの決戦はTV版11話の方が燃えました。劇場版が悪いわけではなくて、あれはTV版が良すぎたんでしょう。あれから5年たち、なのはが大人気作品になって、まだ続いていると思うと、なんだか感慨深いです。「MOVIE 1st」ってことは、2ndもあるのでしょうかねえ?



P.S 分厚いパンフレットですが、一番の驚きはレイジングハート役のドナ・バークさんとバルディッシュ役のケビン・イングランドさんに写真とコメントがあったことでした。二人とも、最初にやった時は、まさかこんなに続くとは思わなかったことでしょうね。