とある科学の超電磁砲 第9話「マジョリティ・レポート」

今回は、レベルアッパーに心引かれていく佐天の上手く描き出していました。見せびらかそうとしたら「副作用」の危険を知らされて、母親からもらったお守りで期待の重さを受け止めてしまって、美琴の「レベルなんかどうでもいいじゃない」という言葉に多少の反発を覚えて、黒子の活躍の前に劣等感を刺激される。最後に、彼女たちはクラスメートでしょうか? 一応レベル持ちの初春と違い、同じく無能力と思われる友人達には話したくなってしまったんでしょうね。


下手なアニメだとこの辺、もっと急いでしまってたんじゃないかと思うんですよ。たとえば美琴の言葉に激昂してしまうとか、暴漢達に立ち向かう時に使ってしまうとか。でもそうじゃない。佐天は美琴の言葉を静かに受け止めていましたし、能力なしで暴漢に立ち向かいました。悪いことだから消去しようとも考えてました。思慮深くて勇気のある子なんです。だからこそ感情移入できる。これが衝動的に使っちゃうのでは、ただ馬鹿な子ってだけになっちゃいますからね。あらためて、今作の上手さに感心です。


アクションシーンは黒子が魅せてくれました。テレポーテーションって、切れ味鋭いというか、見ていて映える能力ですよね。黒子は自分の能力を縦横に理解し、操れているから痛快です。……ただ、物を移動させたら柱も切り倒せるというのは、よく考えると非常に怖いというか、「テレポートした先に人や物があったらどうなるの?」という疑問があらためて生じてきちゃいますよ……。能力の付加として、移動する前に移動先空間を認識・調整できるのだと思いたいところです(人がいたら自動で避けるとか……)。


最後に、今回の迷言。


「殿方ではなくとも、ゆがんだ情欲を抱く同性もいますのよ」


視聴者のみならず、そこにいた3人も「お前が言うか?」と心の中で突っ込んでいたに違いないです。自分もゆがんでいるとの自覚から真っ先に連想したのか、それとも、黒子的にはお姉さまに対する愛情は歪んだ情欲では無いということなのか。解釈によってはだいぶん分かれて面白いですね。