「別冊野球小僧 2009ドラフト総決算号」

ここ数年、ドラフト日程の変更に伴う「野球小僧」誌の対応は、読者から見ても大変そうでした。奇数月10日発売のため、ドラフトが直前だったり直後だったりして、タイミングが合わなかったのですね。しかしその苦境を打ち破るべく、今年はついに別冊ドラフト特集号が登場。素晴らしいです。


さて、肝心の内容ですが、菊池のロングインタビューに感嘆しました。いや、感嘆というよりも圧倒されたと言っても良いかもしれません。


「いかに『野球以外のことを妥協できるか』に尽きると思います。自分は野球以外のすべてを3年間妥協してきましたから」
「『あのくらいの取り組みで、あの程度の気持ちでプロに行けるんだ』とは思われたくない」


どうでしょうか、この覚悟。そして情熱。並の高校生に言える言葉ではありません。というか、高校生じゃないですが、僕には言える自信がありません。


菊池だけではありません。指名選手達は皆、幼い頃から他のことを我慢してでも野球に打ち込み、努力し、成長してきた強者ばかり。「やはりプロに行く選手はすごい」と思わされるとともに、そんな彼らでも1軍で活躍できるのは一握りという、プロの世界のすごさをあらためて痛感する一冊でした。


それにしても、本書を読むと、素人がネットで選手批判なんて、なんだか馬鹿馬鹿しいことかもなあ……と溜息をついてしまったり。まあ、行き過ぎた誹謗にならないかぎり、それもまたファンだからこそ、なんでしょうけどね……。