魍魎の匣 第13話「魍魎の匣、あるいは人の事」

ついにクライマックス。各人の魍魎を京極堂が暴く。


加菜子が美馬坂と陽子の間の娘だったとは……。加菜子自身がそのことを知っていたのかどうかは不明ですが(多分、隠していたのでしょうが)、こういうのって、知ってしまったら子どもはすごい複雑な気持ちになるでしょうね。現実の事例もゼロというわけではないでしょうが……。


雨宮は「彼岸」に行ってしまう。関口はあまりの出来事に精神不安定でしたが、踏みとどまりました。ああ、それにしても結局頼子も加菜子も助からなかったとは……。「来世」とか「前世」とか言うのは、結局一種のミスリード、思春期の少女が好むお話だったということなのかな。原作ではもうちょっと細かく書かれているかもしれませんが。


興味深かったのは人間の意識に関する言及でした。「脳だけ生かしておけば意識は残る」というのは結構SFである考え方ですが、「機械に入った意識は、その機械のものだ」とばっさりと否定する京極堂。これは「呪」。一種のハッタリでもあったのでしょうが、肉体と意識は一体。肉体は単なる乗り物ではなく、意識を構成する要素でもある。これもまた説得力のある考え方でありましたよ。


原作は未読でしたが、レベルの高い作りで楽しませてもらいました。こういう、漫画でもラノベでもない作品のアニメ化も、今後もっと増えても良いんじゃないかと思いましたね。