魍魎の匣 第11話「魔窟の事」


いきなり帝国銀行と来たから何かと思いましたが、なるほど、これが世に聞く帝銀事件ですか。東京郊外の田園風景はもちろん、軍の旧研究所とか、いかにも昭和20年代の世相を色濃く見せてくれるのも本作の魅力です。まさか京極堂にそんなところで働いていた過去があったとは……。


が、それはそれとしまして事件の方は、ボーっと見ているだけのものにとってはいよいよ分からなくなってきてしまいましたよ。連続少女誘拐殺傷事件は間違いなく久保の仕業だったようですが、加菜子のことは別件なのか。木場は美馬坂が犯人であると思い込み銃を持って迫りますが、それは京極堂−関口風に言えば「通りモノ」に憑かれた結果なのか。だとすると美馬坂は犯人ではないってことになりますけどねえ。


謎の多い話ではありますが、ぽんぽんと話を進めてくれるエノさんのおかげでストレスは溜まりません。それに応えてなんだかんだで説明してくれる京極堂も、実は結構説明好きなのかも。


もう謎解きなんかは投げ出して、次回以降の解答に期待なのですよ。