とある魔術の禁書目録 第11話「御坂妹」

早11話まで来た今作。アニメとしての作りは優秀な部類だと思うのですが、物語としてはいまひとつ煮え切らない印象を受けています。まず第一に、あれだけムチャな超能力が認められる「科学」という前提がうまく飲み込めません。電撃とかテレポートとかベクトル変換とかの大技が「オレたち科学側」で処理され、一方で魔術が信じられないという世界観が消化不良のままです。


で、本来ならばそんな状況も主人公の視点と説明で乗り越えていけるのでしょうが、肝心の当麻が記憶喪失という設定なので、ますます宙ぶらりんに。じゃあヒロインはどうかというと、インデックスは最初のお話以来、今のところはただの居候、おまけに出番も少ない。寂しい状態です。


ただ、そうは言ってもつまらないかというとそういうわけでもなく、学園都市の裏でうごめくあやしげな人体実験。クローンとして使い捨てにされていく御坂妹達の悲劇とか、見所はあるので捨てがたいんですけどね。


御坂妹達は美琴のクローンらしいですが、ただのクローンであるならば、赤ちゃんからのスタートになるはず。それが同い年くらいの姿でたくさんいるということで、あのいかにもロボットチックな不自然な言語とあわせて、促成育成とか、ますます怪しげな裏事情がありそうで、怖いことでありますよ。


……ところで、電磁波で風力発電の風車を逆流させるって、なんだかありえなさそうな気がするんですけど、どうなんでしょうか。でもわざわざ書くくらいだから、作者もきっちり調べてるのかもしれませんし。ふむぅ……。