CLANNAD AFTER STORY 第11話「約束の創立者祭」

新入社員朋也の青春。ミスをして叱られて謝って、それでも少しずつ出来ることが増えていって、最初は怖く感じられた先輩も馴染めば気のいい人ばかりで。職場に自分の居場所ができていく。それが丁寧に描かれていて、あたたかな感動を伝えてくれました。最後に出来た真新しい名札。光坂電気の一員として完全に認められたことを示す上手い作りですね。その分渚とはすれ違ってしまいますが、もう、少しくらい約束に遅れたくらいでは、二人の間に波乱は起こりません。それだけの積み重ねを経てきています。


前期を見たとき、「アフターこそが本編」と書きましたが(僕だけではなく、原作プレイした人はほとんどそう書いてましたが)、こうして見ているとあらためてその思いを強くします。美少女アニメにおいて、学校を卒業し社会に踏み出していく過程を描く本作は異色とも言えますが、この奥行きの深さ、幅の広さはどうでしょう。KEY作品で比較すると、AIRが切なさに一点特化した鋭さであるのに対し、CLANNADはもっとほんわかと、包み込むような温かさを感じます(もちろん、CLANNADにも切ないシーンはたくさんありますが)。


今回は芳野さんの熱い言葉も決まっていました。ああいうのは、普通の状態で聞くと呆れるだけですが、自身が必死な時に聞くと、直接に心に響くのだと思います。朋也もあの時熱かったんでしょうね、心が。


それにしても、いよいよもって朋也の物語になってくるのですから、OPにももっと朋也が出ていて良い気もするんだなあ。以前もちょっと書きましたが、Kanonにしても本作にしても、京アニはもっとOPで主人公を目立たせるべき、と思うところであります(AIRの往人は良かったんですけどね)。


あ、そうそう、忘れるところでしたが、シリアスな展開の中で古河夫婦は清涼剤。いきなりチャンバラを始める秋生に、「ベンガルオオトカゲが苦手です」とピンポイントに答える早苗さんには笑いました。