「クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い」

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

実は西尾維新初挑戦。何でだか分かりませんが、今まで読んでませんでした。もちろん評判は聞き及んでいましたが、ラノベともちょっと違いそうだし、かといって本格ミステリという雰囲気でもなさそうだしと、自分の好みの間で位置づけが中途半端になっちゃってたんですね。おまけに、人気があるのでかえって手を出しづらい印象になってたり。ただ、食わず嫌いであることは分かっていたので、なにかの機会に手を出そうとは思っておりました。それが今回の文庫化(と言っても半年前のことですが)。


どこか厭世的で「壊れた自分」を自覚している主人公のいーちゃんと、天才技術者にして青髪の少女、玖渚友。そして孤島に集った天才達。


うん、これは面白いですね。軽快な文章で読みやすく、孤島の密室殺人というなかなか本格的な道具立てに、軽妙なキャラクター描写がうまく融合しています。思い出すのはやはりメフィスト賞受賞者の森博嗣さんですが、それよりも砕けた感じでしょうか。どこか奈須きのこさんを連想したりもします。


一作目ではありますが、色々未回収の伏線もたっぷりで、次を読ませたいと強く思わせる作り。続刊も購読決定です。