ef - a tale of memories. 第7話

面白い美少女アニメ・その2


こちらもますます面白い。上記のダ・カーポ2が「レベルの高い王道」ならば、こちらは思い切った表現演出が異彩を放つ一品ですね。物語そのものも、次第にゾクゾクするような深みを見せてきました。凝っているのに意外と分かりやすくもある作りは、見事なバランスと感じます。


まずは千尋編ですが、やはりと言うべきかしだいに蓮治君も疲れてきていますね。かつて言ったことを覚えてもらえない。そして千尋が言ったことを千尋自身が覚えていない。彼女に悪意はないだけに、辛いです。


それでも蓮治の助けもあって、小説は続きます。「世界で一人の少女の話」は僕が当初想像したよりもずっと深遠で、千尋のそこまでの才能があったことにまず驚き、またその少女と千尋の類似を思わせる描写も上手いです。


「蓮治君、私にキス、したいですか?」


文字にするとすごい可愛らしいセリフですが、そこにとても大きな違和感を覚えてしまった蓮治は、彼女に近づけず。う〜ん、繰り返しますが、千尋には悪意は全然なく、むしろ精一杯なんでしょう。だから彼女を不気味とまでは思いません。ただ、2人とも可哀想だと思ってしまいます。う〜ん、二人はこれからどうなってしまうのか……。なお、シルエットで蓮治の動きをこまやかに見せたのは、演劇ぽくて感嘆しました。



さて、一方のみやこ・景ですが、こちらも「みやこはおかしい」という一言ではすまない、変な言い方ですが「リアルに心のバランスが崩れた感じ」が出ていたような気がします。決して理性を失ったわけではないのに、どうしても止まらずに紘に電話をかけてしまう心理が、声と画面の文字だけで伝わってきました。ちょっとくどいくらいでしたが、逆にそれが効果的でもありました。これに対する紘の反応を見たいと思ったのですが……。


景。千尋の事故の件についてはしかたないと思いますが、今回は擁護のしようがないです。人として駄目です。果たしてこの行動が清算される日が作中で来るのでしょうか?