機動戦士ガンダム00 第7話「報われぬ魂」

4体のガンダムは圧倒的な力でモラリアとAEUの軍隊を壊滅に追いやりますが、そんな中刹那はかつて自分を導いた原理主義的指導者(?)アリーと出会い、自ら姿を現します。あそこまで出たら普通は顔を見せるものでしょうが、さすがに「ガンダムマイスターの正体は極秘」ということで最後の一線は自重した模様。アリーがいまや傭兵として働き、神を捨てたかのように見えるのが、刹那には衝撃だったようですが、今後物語に大きく関わってきそうです。


「僕たちはヴェーダによって選ばれた存在だ」

「俺の存在そのものが理由だ。俺は生きている。生きているんだ」


刹那が制裁を受けるシーンでありましたが、最初の言葉は小道具的設定風味。そして刹那の言葉は、う〜ん、訳が分からないような分かるような不思議な勢いがあります。以前の「俺がガンダムだ」はもうちょっと分かりやすかったですけどねえ。


一方、作戦は成功したといえ、多数の死傷者を出したことに呻吟するスメラギさんでした。「1人を殺せば悪党だが、100万人殺せば英雄になる」という言葉を思い返してしまいます。そして彼女の苦悩は、民間人であるサジやルイスによって、さらにはテレビのニュースという形式を通して、より直接的に視聴者に投げかけられます。ここが今作の特徴的なところですね。僕はガンダムシリーズを全部見たわけではありませんが、これまでのガンダムはいかに戦争の悲劇を描いたとしても、それはパイロットからの視線が主であったように思われます。でも今作は今のところ「ガンダムによって引き起こされた悲劇」もきっちりと伝えようという意気込みが伝わってきます。重い反面、非常に興味深いです。


ガンダムの名に恥じないかなり面白い作品だと思うのですが、世間的な評判は今のところどんなものなのでしょうかねえ。多少シリアスに政治社会色をいれてますので、その辺がつぼにはまる人とはまらない人がいるでしょうか(それも、「入れすぎ」という人と「薄すぎ」という人が両方いそうです)。でも個人的には、今後さらに面白くなっていく予感がいたしますよ。