「つどうメイク・マイ・デイ」

待望のフルメタ新刊でした。珍しくネタバレ含み感想。




期待通りに楽しませてもらいましたが、どんどんシリアスになっていきますね、このシリーズ。内容自体は終盤で宗介がミスリルメンバーに再会したこともあり、孤独で辛い戦いだった前回よりは後味が明るく感じられましたが、キャラクターの描写が巻を追うごとに重くなっていると言いますか。


うまく言えませんが、たとえばかなめの「まあ、あたしも別に超人じゃないから、いずれはそうなるかもしれない」というセリフですとか、レナードが最後、想定していなかったアクシデントで倒れる展開ですとかに、「人間の弱さ・不完全さ」が浮き出ているように感じられるのです。作者がライトノベル的な強いキャラクター像を、微妙に外してきているような印象を受けました。もちろん宗介もかなめもテッサもすごく強いのですが、完璧では無いということで。


それにしても、重い話が続いていただけに最後のレーバテインの大活躍は痛快でしたね。一歩間違うとバランス崩れそうですが、こちらも作者の狙い通りですか。また次巻以降も楽しみとしか言いようがありませんね。初期にはここまで話が広がるとは思っておりませんでした。読み応えのある骨太なシリーズになってきたことですよ。