「空色パンデミック 2・3」

空色パンデミック2 (ファミ通文庫)

空色パンデミック2 (ファミ通文庫)

空色パンデミック3 (ファミ通文庫)

空色パンデミック3 (ファミ通文庫)

第1巻がそこそこ面白かったので、続編に進んでみました。周囲の人にも自らの空想世界を波及する「劇場型空想病」になってしまった結衣。そんな彼女と過ごす景の日常は、少しづつ変貌していく……。以下ネタバレ注意。


正直なところ、2巻についてはいまひとつ。どんなに世界を変える決戦に主人公が巻き込まれたとしても、結局のところ前巻の焼き直しじゃないかという感が漂ってしまい、でもって実際そういうオチなのですから、盛り上がりません。結衣の出番も少ないですしい。


てことで、これからどうするのだろうかと3巻を開いたのですが、「なるほど、こう来たか」と感心。つまりこれまでのお話はまるごと伏線だったようなものですね。「空想を真実と思い込む」空想病という題材ゆえに、どこまでが空想で、何が真実なのか。それは次第に混乱し、今作の世界観自体をもぐらつかせます。「空色パンデミック」という今作自体が作中に登場するメタ構造もあって、景と読者を答えの見えない不安にいざなってくれました。


……ただ、僕の見たかった方向性とは違ったかも。物語全体を空想病に浸しておいて、いつどこで「これは嘘でした」とひっくり返されてもおかしくない世界。それってちょっと反則なんでないかと思うんですよねえ。まあ要するに「景と結衣のラブコメがみたい」ってことなんですが。


4巻が最終巻のようなので、そのうち手を出してみようと思います。