うたわれるもの 第22話「忌まわしき契約」

今回も面白かったです。特に前半から中盤にかけてが良い流れだと思いました。まず、剣では文字通り刃が立たないアブ・カムゥを阻止せんと巨大投槍機(バリスタ?)を持って応戦するトゥスクル軍の描写が良いです。普通の槍剣で突っ込むだけでは能がありませんしね。あれに立ち向かうには前回の大封印のような術法か、落とし穴・水攻め系の地形技、もしくは投石機類しかなかろうと思っていたので、きちんと描いてくれたのが好印象でした(にしても、ウルトリィ、カミュ姉妹はこういうときこそ術法で活躍してほしいのですけど。空も飛べるんですし)。


ただ時間稼ぎもいかんせん力不足で、結局退避も出来なくなってしまったハクオロ。この聖上、結局いつも最前線ですなあ。あれだけ自信ありげにしておいて「策が無い」というのが無茶で、ここまでくると大物なんだか考え無しなのだか良く分かりません。アルルゥが倒れ、慟哭するハクオロが変身してアブ・カムゥを倒していくところの流れは良く迫力が出ていました。まるで暴走した初号機のごとし。


エルルゥが思い出したこと、それはかつて同じくアルルゥが死んだ、もしくは死にかけていたときの契約の状景でした。あれは時間的には第1話の前なわけですが、今回惜しむらくはここがちょっと急ぎすぎで分かりにくかったことです。サブタイトルにもなっていることなので、序盤の戦闘を削ってでも時間をまわしてほしかったなあ。異形の巨体に「身も心も捧げろ」と言われて躊躇するも承諾するエルルゥが切なくも美しいです。あそこでまるで躊躇しなかったら、いかなエルルゥと言えども嘘っぽいですからね。


いよいよ物語の根幹、ハクオロの存在がクローズアップされてきました。クライマックスに期待大です。