「灼眼のシャナ」

灼眼のシャナ (電撃文庫)

灼眼のシャナ (電撃文庫)

「旅行とは本を読むことだ」などという格言は古今東西のどこにも無さそうな気はしますが、本好きにとって旅行中の移動時間、さらに宿の夜の読書は欠かせない一時。必然、カバンの中に詰め込む図書が増えて重くなるのは難処ですが、今回も色々買い込みました。普段ライトノベルをガンガン買うというわけでもないだけに、新シリーズに挑戦するときはなかなか迷うわけですが、とりあえず選択基準は
(1)続巻が長く出ている
(2)平積みされていたりするとなお良し
(3)アニメ化されたりする
(4)絵が好み
というあたり。(1)〜(3)は要するにそれだけ人気があるのだろうという見込みです。……まあ、なかば賭けですけどね。


前置きが長くなりましたが、今回はまず灼眼のシャナに挑戦。1、2巻を読了しました(さすがに一度に全巻は買えません)。で、感想はというと「う〜ん、普通。」 人気シリーズらしいだけにもうちょっと上の面白さを期待したのですが、悪くはないものの平凡な印象でした。何だか非日常な世界が存在していて、謎の強気な美少女が対抗勢力と戦っていて、主人公が巻き込まれてしまうと言うあたり、ライトノベルのお約束をきっちり踏襲しているなと感じられます。キャラクターはシャナも悠二も吉田さんも池君も良い味出してますけどね。
用語が色々独特ですが、これはたとえば「フレイムヘイズ」じゃなくて「討伐者」、「封絶」じゃなくて「結界」とかだったらダメなのですかね? このあたり、差異化のために色々と創造しなくてはならない作者の苦労を感じてしまいました。大変なものです。


しかしまああれです。僕としては何とか吉田さんの想いが届いてくれないものかと願いますね。2巻にしてすでに絶望的な状況ではありますが、そこをどうにか。ラノベだと(ラノベじゃなくてもか……)こういう立ち位置のキャラはほとんど悲恋で終わってしまい、なんだかんだ言って主人公はヒロインとくっついてしまうものですが、それではちょっとありきたりでつまらないではありませんか。僕はドラクエ5でもいつもフローラを選ぶのです。これまでその意味で割と良かったのは「レベリオン」シリーズで、これは最初から最後まで主人公の思い人がヒロインとは別という、なかなかにひねくれた展開を見せてくれたのですが、それでも片思いで終わっちゃいましたからね。やっぱり道は遠いのかなあ……。
ちなみに、レベリオンはお話的にかなりシャナと近いものがあると思います。読んでいて何度も連想しちゃいました。