「終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅」

終わりのセラフ1 一瀬グレン、16歳の破滅 (講談社ラノベ文庫)

終わりのセラフ1 一瀬グレン、16歳の破滅 (講談社ラノベ文庫)

自分でもちょっと意外なことに、小説版に手を出すくらいに今作を気に入っていたようです。小説版は、マンガやアニメで展開された百夜優一郎たちの世代から8年前。一瀬グレンを主人公とした物語。漫画版と同時進行で進んでいる企画なのですね。正直、手を出す前は「まあ、そうは言っても漫画のほうが本編で、こっちは外伝みたいなものなんでしょ?」くらいの気持ちだったのですが、1巻の時点でそんな評価は吹き飛びました。それでほぼ一気に5巻まで読了。かなりハマってます。


単体のラノベとして普通に面白い、いや、普通以上に面白いです。漫画版も知っているとより楽しめますが、知らなくても十分いけるでしょう。これまではあくまでも「優一郎たちの上官」的なイメージしかなかったグレンが、これほど見事に主人公を務めているとは。ひねくれていても根本はどこまでも真っ直ぐで熱いグレンがカッコ良いですし、そんな彼の心根を知り、次第に周りに集まってくる仲間たちも良いですね。そうかあ、漫画版で出ていた8年後の彼ら彼女らはこういう経緯があったのかと、感慨もひとしお。


そして一応メインヒロインである柊真昼。漫画版でも断片的に語られることはありましたが、堂々の立ち位置で登場です。でも「一応」をつけたのは、ヒロインよりもラスボスとしてのイメージが強いため。物語の初めから鬼に取り憑かれちゃってるわけですし……。せめて序盤にもっとラブコメなシーンとかがあればと願ってしまいますが、それが叶わないのが本作の厳しさなんですよねえ。


強大な柊家に長年虐げられてきた、分家の一瀬家。その屈辱を晴らし、権力をひっくり返す事こそが当初のグレンの目的だったわけですが、物語が進むに連れ、深夜のみならず暮人とも多少は話ができるようになってきた今、その目的自体がおそらく変化していくのでしょうね。もうすぐ人類社会が滅びてしまうというそのタイムリミットの前で、そしてその後に、彼が目指す道がどんなものなのか。漫画版ともども楽しみです。


アニメも10月から2クール目がありますが、それが終わったら小説版もアニメ化してもらいたいなあ。