ファンタジックチルドレン 第24話「トーマの真実」

最高。もう素晴らしいとしか言いようがありません。ここまでつちかってきた話の重みが一気に収束して場面を盛り上げ、手に汗を握らせる緊迫感と切なさがありました。タイトルどおりのトーマの正体についてはもちろん、デュマとティナの姉弟模様も見ごたえ十分。言葉だけではなく、表情と行動によるやりとりを堪能させていただきました。
それにしましてもねえ、まさかトーマがセスの転生だったとは。これにはやられました。数回前から一応ソランかセスに関係のありそうなことは描かれてましたが、見ているほうも普通「セスはおとりでやっぱりソランの生まれ変わりなんだろうな」と考えると思うんですよ。そこを逆手に取ったような演出、見事です。考えてみれば思い当たるんですよね。ここまでヘルガがあまりにトーマに無関心であったなあと。24話にもなった現時点でも友達レベルかどうかすら怪しいわけで、運命の恋人にしては離れすぎでした。なるほど、振り向いてもらえないセスの姿のほうが近かったんですねえ……。
トーマの記憶で示されたソランとセスの最後は、予想された中で一番辛い展開でした。ソランを撃ったあと我にかえるセスの描写があまりに悲しかったです。次第に震えだす手の描写がもう痛々しくて。雨の中を歩くシーンと同様、この作品はセスの悲哀の伝え方がうますぎですよ。おそらくこの記憶はトーマに重くのしかかることになるのでしょうが、そこをどう折り合いをつけていきますか。自分はティナでは無いのだと決意したヘルガの考え方と重なるのか否か。残り2話に注目度は増すばかりです。