うた∽かた 第12話「欠片の詩歌」

いよいよ最終回。どうなることかと思ってみましたが……う〜ん、正直いまいちだったような。
前半最後の一夏の言葉は良かったです。ラストのモノローグもきれいです。でも、それ以外の部分は弱かったかなと。悪役である沙耶に魅力と説得力が無いのがどうにも致命的に感じられてしまいました。許可も取らずにさんざん人を苦しい目に合わせておいて、最後には槍を突きつけ「自分か世界かどっちか選べ、さもないとルール違反だ」とのたまうのでは、こちらとしては「ふざけるな」と言いたくなってしまいます。おまけに舞夏と繪委の犠牲で何とか反駁できたかと思いきや、謎の声が笑って「じゃあ次いこう」って、それは無いでしょう。ジンの皆さんに人間の感覚を求めてもダメなのかもしれませんが、やたらに後味が悪くて困りました。
清涼な夏の物語という雰囲気はよく出ていたと思いますし、思春期の少女の成長物語として最後まで見られるだけの良さはあったのですが、全体的にはもうちょっと上手くできたのでないかなというのが感想ですね。「不思議な夏」というよりも「理不尽な夏」のように見えてしまったのが残念でした。