魔法少女リリカルなのはA’s 総評とまとめ

昨日はちょっと興奮した状態での文章だったので、今日は少し落ち着いて総評を。
全体的にはもちろんすごく面白い作品でしたが、シナリオ的には途中で少し「曲がった」といいますか、当初に想像していたラインからやや斜め方向にずれて着地したような印象があります。具体的には第9話からの展開がそんな感じ。「なのは達VSヴォルケンリッター」のライバル関係で来ていたところが結局消化されきらなかった感は残ります。「ライバルとの戦い」→「黒幕(悪役とは限らない)との決着」という流れ自体は前作と同じですが、前作よりもスムーズではなかった、というところですかね。
あとこれは方々で指摘されていることでしょうが、なのは側の戦う理由が弱いということ。クロノ達は仕事であるうえ、因縁もあるので分かりやすいのですが、なのはは別に動く必要は無いんですよね。まあ、それでも動いちゃう彼女の性格は前作に十分描かれていたので、さほど違和感はありませんでしたけど……。結局物語自体、ほとんどはやてが解決しちゃったもので、管理局が邪魔者状態というのも(最後封印に役立ちましたが)否めないところです。はやての強さは素晴らしいですが、その裏にある経験とか、弱さとか、もうちょっと描かれると良かったですね。やや無敵すぎではありました。
個人的に一番残念だったのが、なのは側とはやて側の友情がほとんど描かれるまもなく戦闘になってしまったことです。プリティサミーにおける砂沙美・美紗緒みたいな葛藤があってくれるとより燃えたところでしょうに……。この件も含めて、どうしても時間が足りなく見えるのは惜しいところでしたねえ。


ともあれ、最高に楽しいアニメだったのは間違いありません。「あのラストでは第3期は無し」という見方もありますが、個人的には「15歳なら十分少女」という見解であり、まだ続けられ無いかなあと考えたりもいたします。……まあ、逆にこれで十分満足かなという気持ちもあるのですけど。