響け!ユーフォニアム 第13話「さよならコンクール」

感慨深く、余韻の残る良い最終回でした。


これまでの北宇治吹奏楽部の努力の成果と、京アニの技術を注ぎ込んだ渾身の演奏シーン。舞台上の緊張感とまぶしさが、これほどまでにアニメ映像で表わされようとは! 1クールとはいえ、丁寧な積み重ねがあったからこそ、部員一人一人の表情や、麗奈のソロのパートの感動が伝わります。麗奈の演奏もさることながら、それを隣で見つめる香織の表情が絶品でしたよねえ。これは勝手な思い込みですが、多分あの場面、香織は心から麗奈を応援し、納得できていたはずです。


そして演奏以上に緊張感が高まった結果発表。まず金銀銅が発表されて、その後に関西大会進出校が呼ばれるのですね(あれ、そういえば何校進出できるんでしたっけ? 一校だけ?)。音がない演出ので一瞬不安にもなってしまいましたが……良かった。正直、やっぱりダメでしたというような弱気なラストも想像してましたが、負け犬根性でした。すみません。あれだけの努力と演奏で結果を出せないはずがない! そう、それで良いじゃありませんか。彼女たち彼らの嬉し涙が心にしみます。そしてEDはOPの吹奏楽バージョン。分かってますねえ。


吹奏楽という割と珍しい題材の京アニ作品ということで期待していましたが、期待通りの良作でした。京アニの音楽部ものと言えばなんといっても「けいおん!」ですが、あれがどちらかというとほのぼのコメディー系だったのに対して、リアル寄りの部活ものということで、ちゃんと差別化できてましたね。どちらが上というものでもないですが、けいおん!の練習不足が気になっていた人でもこれなら納得?


久美子は基本的にテンション低めで、ユーフォはそこそこ上手いけれど飛び抜けたほどでもなくて、それほど美少女というわけではない(少なくとも作中ではそうなんでしょう)。おまけにちょっと口が悪いという、なかなか地味な主人公。でもそれでいて内には熱いところも秘めていて、応援できるキャラでした。基本少女小説なんですよね、これは。男性向けの美少女たくさん作品とは空気が違う。多分アニメで多少は変わっているでしょうが、そこが良いです。秀一との仲は進展なかったですが、最後に拳でエールを交わすシーンがきっちり挟まれていたのが綺麗でした。


「そして、私たちの曲は続くのです!」


いやほんとに続いて欲しいものです。