交流戦、今年もパリーグの圧勝で幕

108試合、パリーグからみて61勝44敗3分。勝率にして.581。う〜ん、またしてもここまで大差がつくとは。.581というのは、ペナントレースで言えば優勝してもおかしくない勝率であり、逆にセリーグの.419は最下位レベルです。


数年前まで、パリーグの強さはダルビッシュ、田中らのスーパーエースの存在と、2連戦中心の変則日程に求められていました。エースがたくさん投げられるからパリーグは強いのだと。それはそれである程度の説得力はあったのですが、いまやエース達の多くは海を渡り、あるいは衰えました。そして今年は3連戦が基本に。これによってパリーグの優位性は薄れるのかなとも思ったのですけどね。


一体この理由はなにか。


やはり一番はDH制ということになるのでしょう。突き詰めて言えば、パリーグが野手9人で戦うところ、セリーグは8人で戦わないといけないわけですから、むしろ差がつかないほうがおかしいという話です。さらに副産物として、強力打線と対戦し、代打交代もない投手も力をつけていくということも言えるでしょう。


……とまあ、ここまではこれまでも考えていたのですが、「本当にそれだけなんだろうか?」という疑問も残るところで。つまり、パリーグ球団のドラフト戦略や育成といった能力・意識自体が高いのではないかという観点です。西武ファンの贔屓目を抜きにしても、パリーグのほうが若手野手がどんどん出てくるイメージはありますからねえ。もっとも、DH制だからこそ強打者を指名しやすい、起用しやすいという面もあるので、制度と完全に切り離した話ではありませんが……。果たして、どこまでがDH制という制度の要素で、どこまでが球団の能力の差なのか。興味深い論点ではありますが、簡単には答えはでなさそうです。


さて一方、ここまでやられてしまったセリーグ復権はあるのかどうか。議論の方向によっていはセリーグもDH制導入なんて案も出てくるかもしれませんし、あるいは全然見向きもしないかもしれません。ただいずれにしても、このままじゃさすがにまずいという感覚は生じているはずです。せっかくの両リーグ、ここはセリーグの奮起により、切磋琢磨してもらいたいもんですけどねえ。