響け!ユーフォニアム 第9話「おねがいオーディション」

オーディションに向けて最後の追い込み。前回の葉月の失恋が応えていたのは、意外にも葉月本人よりも緑でした。確かに緑はやたらテンション高く葉月の背中を押してましたしね。その背景にあったのは単なる恋愛事への憧れか、それとも他の事情があったのかは分かりませんが、今になって反省していると。登場したはじめから、割と明るくて元気な側面ばかり見せていた彼女ですが、意外と暗いジメジメしたところもあるんだなと、意外な感じでありました。そういうキャラの多角的な深め方は今作の上手いところです。一方の葉月は、多少無理しつつも元気に振る舞う。良い子ですなあ。


「むしろ、私が悪かったかなって…」


この久美子のセリフは多少ぼかしてますが、「秀一は多分私のことが好きだから葉月ちゃんがふられてしまったんだ」という意味あいをこめてのものなんですかね。う〜ん、複雑な心情。もっとも、久美子自身の彼に対する感情はまだまだ無自覚、ということみたいですが。


その後、自宅での緑との電話タイム。いかにも部屋着でリラックスしてますという久美子の格好が良いです。あとこの作品、久美子の声が実に自然な感じで良いですよね。現実にいそうなテンション低めの女子高生声といいますか。感心します。


そしていよいよオーディションへ。誰かに勝つということは、誰かを落としてしまうということでもある。その重さに戸惑いながらも、麗奈の後押しもあって全力を尽くした久美子は無事合格。トランペットのソロも麗奈に決定するのでした。反面で、夏紀はアウト。まあ葉月が落ちるのは初心者なのでしょうがないとして、香織も念願のソロを担当できなくなってしまうと。う〜ん、重い。皆努力しているだけに辛い思いです。1・2年ならまだ来年があるとも言えましょうけど、3年で落ちちゃうと、もう、モチベーション保てなくなってしまいそうです。


相変わらずの密度とテンポの良さで少女たちの青春を鮮やかに描き出している逸品。次回も楽しみ。