Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 第20話「Unlimited Blade Works」

最終回でもないのに、作品自体のサブタイトルでもある「Unlimited Blade Works」を冠した1話。士郎が、自分自身の理想の体現者であるアーチャーと対峙するという、物語的な最重要ポイントであることを思えば当然でしょうか。


凛サイドは置いといて、戦いは激しい剣戟から始まりますが、士郎は投影魔術、肉体能力のどちらを持ってしてもアーチャーにはかないません。それでもなんとか渡り合っているのは意地のためか、それともアーチャーが手加減しているためか。アーチャーからすればいくら魔力不足とはいえ、本気になれば士郎をいつでも殺せるくらいの技はありますから、やはり士郎の心まで折ってこそ勝利、という考えなのでしょうね。


そして再びの固有結界、「Unlimited Blade Works」が発動です。あれ、まだそんな魔力あるの? それともUBW自体は意外と魔力消費少ないのでしょうか? まあそれはともかく、戦いは激しさを増すのでした。回想シーンもはさみつつ、士郎が切嗣から受け継いだ理想と呪いをうまく描いてましたね。アーチャーの言葉に押されながらも、ついにアーチャーが忘れていた自身の願いを取り戻した士郎。ここは、挿入歌も感動的でした。アヴァロンの力も借りて(一応説明ありましたが、原作知らないとちょっと分かりづらそう)、傷も回復した士郎。あらためてアーチャーの打倒を決意するのでした。


「俺は正義の味方を張り続ける!」


それが最初はただの憧れであったとしても、そこまで言えるのであれば決して借り物ではない、彼自身の信念だということ。そもそも、初めからオリジナルの理想を持っている人なんているんでしょうか? 最初は誰もが他人からの受け売りで、それが次第に自分の中に根付いていく。そんなものではないかと思うのですよ。アーチャーに至った士郎はその方向性を少し間違えてしまったのかもしれませんが、このルートの士郎ならきっと、もっと良い正義の味方になってくれることでしょう。いやま、まだアーチャーとの決着はついてませんが。


なお、本日の凛サイドですが、ランサーが最後の気力で彼女を救い出す。悲しくもカッコ良いラストでした。というか、このへん全然忘れていたので、言峰が死んだことに驚いた。ついついセイバールートとかのイメージで、今回もまたラスボスになるのだろうと思ってました。そうかあ、ここまででしたか……。


一つのクライマックスに相応しい出来栄えの回だったかと。この勢いで真のラストまで走りきってもらいたいものです。