菊池雄星が帰ってきた!

「優勝へのキーマン」と首脳陣に指名された菊池雄星。キャンプで左肘を痛めて出遅れていましたが(初日から4日連続ブルペンとか無茶するから……)、なんとか4月に間に合いました。「今年こそエースに」と毎年のように西武ファンに期待される未完の大器。僕も御多分にもれず、期待しているのですが、果たして今季初のピッチングはどうだったでしょうか。


・7回1/3 114球 被安打6 被本塁打2 与四球2 奪三振12 自責点3


なお試合は0-4で完封負けを食らっております。ロッテ石川すごいなあ。しかし勝敗はしょうがないとして、肝心なのは内容です。


まず見た感じ、去年までと一番違っていたのがストレートの切れ味でした。これまでの雄星は球速の割には当てられやすい、打たれやすい球質だったのですが、今日の速球はキャッチャーミットめがけて鋼鉄の線が一本突き刺さるような、素人目にも明らかに勢いがアップしているボール。特に序盤はロッテ打線から空振りの山を築きました。これにより変化球も一層効果的になり、奪った三振は12。これは去年の14奪三振完投に次ぐ、自己2番目の奪三振数です。


ただ、球速表示そのものはさほどでもなく、MAXで148キロ。平均で142、3キロくらいだったでしょうか。マリンのガンが辛かったのかもしれませんが、やはり雄星には「キレのある150キロ以上」を求めたいですね。二軍では156キロ出たんですから、もう一声二声。


そして、最大の課題である制球ですが、もっと出してるかと思った四球は意外と2つに収めてました。ただ、3ボールまで行くことが多い。コーナーにビシリと決まったかと思いきや、なぜか突然ストレートの四球を出したり、大暴投がバックネットに飛んでいったりと、なんだかよく分からないコントロールを披露します。う〜ん、どうなんでしょ、これ。常にセットポジションで投げているのが今季の工夫のようですが、単純に見た目だけで言うと迫不足で面白く無いなあ、などと勝手なことを思ってしまいます。


トータルで見ると、ローテの一員としては十分以上な出来なのですが、今後チーム引っ張るエースとしては、球速と制球ともに一段の向上を期待というところ。次は相性の良いホームでの登板になるはずなので、今度こそ初勝利といってもらいましょう。