2015シーズン パ・リーグ戦力分析&順位予想

さて、長かったオフも終わり、いよいよ開幕前日となりました。毎年恒例、と言いたいところですが、去年は途中で力尽きてしまった戦力分析です。今年はその轍を踏まぬよう、一回にまとめて6球団いってしまうことにしました。分析というよりもほとんど雑感ですけどね。



福岡ソフトバンクホークス
昨季の覇者、ソフトバンク。まあ、今年も強いでしょう。3割打者5人の打線に、安定したリリーフ陣。昨季唯一やや弱かった先発も、貪欲に松坂やバンデンハークを補強。資金力とやる気はうらやましいばかりですよ。


で、順当に行けば優勝はもちろん、簡単に日本一になってしまいそうなので、どこか弱点はないかなあと探すのですが、う〜ん、見当たらない。あえて言えば、攝津が衰え気味なのでエース不在感はあります。でも、スタンリッジや武田がしぶとく埋めていくでしょう。特に武田は、一気に次代エースになる素質があります。


打線で言えば、去年の柳田がだいぶんBABIPが高い(.396!)ので、多少反動減はあるであろうと。マークも厳しくなるので、2割6分くらいになっても驚きはしません。それでも内川とかイデホとか松田とかがいるので、やっぱり揺るぎそうにありません。


あとは初指導者となる工藤新監督がよっぽど変なことをしなければ、優勝候補筆頭はゆるぎませんね。実は工藤さんの解説を聞いているとちょっと不安になる時もあったのですが、今のところは順調そうです。



オリックス・バファローズ
昨季2位。今年こそ19年ぶりの優勝を目指すべく、球団も補強に力を入れました。宮内オーナーからも大号令がかかったらしく、まさかのオフの主役に。気合と勢いは乗っていることでしょう。


オリックスの優位点は投手力。去年は12球団唯一のチーム防御率2点台をたたき出しました。ただ、これを今年も維持できるかというのが一つ懸案事項に見受けられます。絶対的エースの金子が右肘手術で出遅れ。もともと故障がちな投手がここ2年フル回転だった反動は気がかりですね。それでも、2番手以降にディクソン、西、バリントン、東明、吉田らの名前が上がるのはさすがですが。


真の懸念はリリーフ陣でしょう。ここ数年投げまくった平野と佐藤がさすがに疲れるんではないかと予想。去年鮮烈な活躍ぶりだった比嘉も開幕アウトということで。個人的には馬原の復活を期待してるんですが、いずれにしても、昨年ほどの鉄壁ブルペンとはいかないと見ます。


打線はペーニャの代わりにブランコを取り、さらに中島と小谷野が加わりました。ペーニャとブランコはとんとんとして、中島がどれだけやりますかねえ。元西武のスターだけに元気なところを見たいと思う反面、アメリカであれだけ結果を出せなかったナカジが日本で軽く活躍するようだと悲しい。複雑ではあります。


トータルでは、「去年が出来すぎ」と出るような気がするんですが、あとは開幕からの勢い次第でしょうか。



北海道日本ハムファイターズ
去年は上にも下にも大差をつけて、悠然と5割3位ラインを漂いました。近年安定した強さと育成上手を誇るハム。ですが、今年は結構厳しい年になりそうに見えます。


先発陣が良くも悪くも若いですね。大谷はもう別格として、メンドーサも安定していますが、残りの面々がどこまで計算できるのか。武田勝はもう厳しそう。中村は去年8勝しましたが、まだ勢いと幸運に乗ったように見えます。浦野が結構ブレイクするかもしれませんが、それでも足りなさそうだなあと。なお、斎藤佑には心情的には頑張ってもらいたいところであります。


野手陣はバランスの取れた陣容。陽、中田を中心として、メジャーから復帰の田中賢介、成長著しい西川が楽しみ。ただちょっと怖さに欠けます。ハーミッダとレアードが当たればいけそうですが、ここ数年、ハムの外国人打者は当たらないんですよね……。稲葉、金子、大引、小谷野らベテランが退団したのもじわじわ響きそう。あとは、野手大谷がどれほどやってくれるのかが楽しみです。


全体的には悪くない、悪くないのですが、上を目指せるほどかというとそうでもなく。結局3位争い、4位争いにとどまるんじゃないでしょうか。



千葉ロッテマリーンズ
去年はチーム打率5位、チーム得点5位、チーム防御率6位。これでよく4位になれたものです。伊東監督の手腕なのでしょうか。ただ、今年もこれといった上積みが見当たらず、むしろ成瀬が抜けてしまいました。戦力的に下位なのは間違いないでしょう。


まず厳しい投手陣。先発は涌井に石川に、あと誰でしょう、という感じに。唐川は年々内容が落ちてますし、藤岡は年6勝どまりですし。ただ、聞くところによると新外国人のイ・デウンとチェンが良いとか。アジア組でどこまで層を厚くできるでしょうか。


打線も迫力不足。デスパイネが大きな希望ですが、その他の選手は失礼ながらどうもぱっとしません。去年も書いたような気がするのですが、「ロッテのスター野手と言えば誰」というのがすぐに出てこないのですよね。今江、角中、岡田らは良い選手ですが、玄人好みな雰囲気。鈴木大地加藤翔平、アジャ井上に期待です。



埼玉西武ライオンズ
去年は開幕から大いにすっ転び、そのまま低迷して5位フィニッシュだった西武です。その原因は伊原監督の基礎重視キャンプにあるとも言われました。今年は田辺監督がその辺りに注意してきっちり実践練習を行ってきたようなので、去年の二の舞はないはず、と思いたい。オープン戦での打線賃貸ぶりを見るとどうも心配になってしまいますけどねえ。


投手陣はまあそこそこ。先発は岸、菊池、牧田、野上、十亀、郭、ルブランと言ったあたりで、それなりにそろってます。が、岸の脇腹痛はかなり心配。菊池はなんとか4月中には復帰できそうですが、もし岸が長期離脱なら、今年こそ菊池がエース級の働きをしないとチームが持ちません。


毎年課題と言われるリリーフですが、一応増田と高橋朋で勝ちパターンは出来ました。あとはその前の武隈、岩尾、岡本篤、岡本洋、バスケスらがどうにかこうにか持たせてくれればなあと。実際、数年前よりは良くなってますよ。


もし今年西武が快進撃することがあるとすれば、打線が勢いに乗ったパターンでしょう。秋山、栗山、浅村、中村、メヒアと並ぶ上位打線はソフトバンクオリックスに引けを取りません。下位打線も木村、坂田、森、山川ら多士済々。……もっとも、オープン戦ではこの多士済々のはずの下位打線&浅村メヒアがさっぱりだったわけですが。シーズン始まれば良くなることを願います。



東北楽天ゴールデンイーグルス
一昨年の感動の日本一から一転、一気に再会に転げ落ちてしまった楽天。やはり田中とマギーの穴は大きかったです。そして昨オフは4番で存在感を発揮していたジョーンズも退団。ペーニャにサンチェス、ウィーラーを獲得しましたが、彼らがそろって働くくらいでないと厳しいでしょうね。ただ、サンチェスは今期来日組の中では大物バッター。結構やるのではないかと楽しみではあります。


さて、投手では2年目のジンクスもなんのそので完全にエースになった則本が今年も軸。次に辛島でしょうか? 正直、2番手で辛島の名前があがる点でちょっときついかなという感じです。あとは美馬、塩見、戸村。う〜ん……。そういえば永井ってどうしてるんですかね? リリーフも、高卒2年目の松井がクローザーというのはどうなんでしょう。いや、松井の能力ならば十分にこなしてしまうだろうとは思うのですが、心配なのは負担の大きいポジションによる消耗です。同じく高卒2年目だったオリックス平井が大車輪の活躍をして、その後長らく低迷してしまったことを連想しちゃいますよ。


野手に戻ると、松井稼頭央が正式に外野転向。40歳になったら普通ファーストやDHになるものなんですけどね。40歳で内野から外野というのはちょっと前代未聞ではないでしょうか? さすがの身体能力です。


今期の楽天について、ある意味選手以上に注目なのが大久保監督。エネルギッシュでアイデアマンなのは西武コーチ時代にも実証済みで、選手を鼓舞して勢いに乗せることができれば怖い存在となります。もっとも、あまり人望を集めるタイプでもないので、下手をすると去年の西武伊原監督のように空中分解という可能性も。どっちか言うと後者の可能性のほうが高いと思ってしまいますが、さて。



■順位予想
一応お約束の順位予想です。


1位・ソフトバンク
2位・オリックス
3位・西武
4位・日本ハム
5位・ロッテ
6位・楽天


我ながらあまり面白みのない予想ですが、どう考えてもソフトバンクの優位は動かしがたい。世間的にはオリックスとの争いという見方が多いですが、個人的にはオリックスとも結構差があると見ています。


3位以降は僅差ですが、一応ファン心理で西武をAクラスに。08年のような打線爆発を期待。日本ハムが3位争いのライバルで、ロッテと楽天が最下位争いかなと。


もっとも、上位2強が代わり映えしないのでは混戦パリーグの名が泣きます。今年も予想外の波乱を交えつつ、高レベルの戦いを見せてほしいものです。