SHIROBAKO 第10話「あと一杯だけね」

さあ、なんとか出来上がった最終話のコンテ。ここから5週間。あおいにとっては試練の時間が訪れます。音響制作のネタもはさみつつ(あおいはライバルアニメに協力することになってしまいましたね)、精一杯、文字通り制作進行していきます。なかでも原画さんを集めて監督が熱弁を振るうシーンは印象的でした。瀬川さんのように、普段は自宅で仕事をしている人も、こういう時にはやってくるのですね。実は7話8話を見たとき、「絵麻と瀬川さんは面識があるのか、それとも絵だけのやりとりなのか」というところが少し気になっていたのですが、今回の様子を見ると、一応面識はあったようで(今回が初対面という可能性もなくはないですが)。


そして、コンテのままで挑むアフレコ。話に聞いたことはありますが、これで何とかしてしまう声優さんもすごいですし、ちゃんとセリフのキャラ名を入れたり、事前に準備しておく制作も大変なのだなあと思わされます。ま、こうならないのが一番なのでしょうが。


アフレコが終わったら声優さん的には仕事終了。「良い最終回でした」となるのですが、他のスタッフにとってはこれからが山場。飲んで楽しんでいる監督にイライラしつつ、強引に会社に連れ戻すあおいに同情と共感です。ナベPのタクシー援護もさすがの手慣れた感でした。果たして、最終回は見事に仕上がるのか? 次回も注目です。


……で、ここまではあおい周りに焦点を絞って書いてきましたが、今回の大きなエポックは「みーちゃん」こと藤堂美沙の辞表ですね。まあ、他人ごと風に言えば「せっかく良い会社なのにもったいない。もっと頑張ってみればよいのに」「せめて次の職を探してからにすれば」ということになるんでしょう。でも、それが正論であったとしても、本人にとっての悩みは切実なものです。なかなか何が正解、とは言い難いものですね。友人に相談するのは良いとして、親には相談したんでしょうか? ただ、社長も美沙の辞表を見てやや心が動いた様子も。本当にこのまま辞めてしまうのか、それとももう一波乱あるのか、ですね。


そして波乱といえばもう一点。心配性ながらもそれなりに頼れるデスクの本田も、ケーキ屋目指して退職することが発表されました。落合に続いて人が抜けて、大丈夫なんでしょうか、この会社は。


それにしても、みんな知らなかったとばかりに驚いてましたが、この前「夢はケーキ屋」と語ってたばかりじゃないか、と思って調べると、そう言ってた8話は脚本が横手美智子さんで、今回は吉田玲子さんでした。やはりそのへんでズレが生じちゃったんですかね。まあ「本気だとは思ってなかった」というふうに受け取れば一応辻褄は合うので、矛盾というほどではありませんが、ちょっと違和感は否めないところでした。こういうところこそ監督が調整するべきものじゃないですかねえ、木下……もとい、水島監督?