MVPと新人王雑感

ちょっと話題が遅れましたが、プロ野球シーズン最後の締めとも言える、MVPと新人王が発表されましたね。


プロ野球MVP パは金子 セは菅野(NHK)

新人王 ロッテ・石川と広島・大瀬良(NHK)


最初一報を見た時は、「ふむふむ、金子に菅野、石川に大瀬良か、妥当だな」で、そのまま流しそうになってしまったのですが、あれ、良く考えると金子って優勝チームじゃないじゃないかと。なんだか最近、沢村賞でもベストナインでも侍ジャパンでも金子、金子でしたから、すっかり金子の名前に違和感がなくなっていました。


もちろん、これまでも優勝チーム以外からMVPがでたことはありましたが、三冠王とか21勝とか60本とか、飛び抜けた成績が条件でした。今年の金子は16勝5敗の1.98。たしかに素晴らしい成績ではありますが、MVPというほどか? という疑問は残ります。これなら多少無理矢理でもソフトバンクから出してしまったほうが良かったのでは? 柳田はまだちょっと早い感もあるので、個人的には内川で。


セリーグもMVPが誰になるかと騒がれましたが、こちらは菅野で落ち着きました。2年目にしてすでに貫禄安定感十分なピッチングで、最優秀防御率。まさかここまで凄い投手だったとは。1年待ったとはいえ巨人は美味しい指名ですよ。日本ハムが強行指名にいったのも分かります。これで慢心せず、それこそダルビッシュ、田中級の球界のエースを目指してほしいものです。


新人王は「10勝すれば当確」の、いつもの基準通りでした。高橋朋己は2年目なので多少割り引かれてしまうのはやむなしとしても、セリーグは又吉の方が内容的にかなり上ではないでしょうかね。どうしても中継ぎ投手は評価が厳しくなります。もっとも、中継ぎ以上に厳しいのが野手。セリーグは長野以来、パリーグにいたっては、98年小関以来野手の新人王がでていません。さすがに15年以上受賞者がいないのは公平性に難ありというか、歪んでいるような気がするのですが。


ただまあ、そもそも新人王なんて大した賞ではない、と言ってしまえばそれまでではあります。新人王をとっても伸び悩んだ選手、結構いますしね。大事なのは新人の中で一番になることよりも、プロ全体の中で輝くこと。時々「新人王の資格を来年に残す」と言って起用制限をするケースも見受けられますが、そこまでこだわることもあるまいと思ってしまいます。だいたい、そういうやり方で実際に翌年取れた例は、寡聞にして知りませんし。


今季の森友哉は新人王の資格を無視して出場を続けました。今年の経験がもっと大きな財産になるという自信があってのことでしょう。その意気や良し。来年に一層の期待をするところです。……と、結局西武の選手の話で締めてしまいました。