残響のテロル 第9話「HIGHS & LOWS」

いよいよクライマックス。見応えのある回でした。


まず一面では、元厚生省職員・青木の口から語られる「アテネ計画」の真実。知能に過ぎれた孤児を集め、ただの英才教育ではなく、薬剤を使った「人工サヴァン」の育成とは。なんか、そんな話がラマチャンドランの「脳の中の天使」にもあったような。そちらでは薬物ではなくて電磁波を用いた話でしたが。あながちありえないと言い切れないのが、上手い線をついています。生き残ったのはハイブだけかあ。


ちなみに、ラマチャンドラン博士の説によれば、サヴァンというのは脳の高次領域が発達しないぶん、低次の領域にアクセスすることにより、一部能力を最大限に発揮することができるという話です。パソコンで言うと、重いOSを通さないで直接ハードウェアを操っちゃえば速いよ、という感じでしょうか。脳は神秘ですね。


さて、そして今エピソードのもう一面は、夜の観覧車でのツエルブとリサの2人。ハイブに踊らされる状況ではありますが、ここは妙に美しく幻想的な光景でもありました。命をツエルブに託したリサと、必至に爆弾を外していくツエルブの姿がどこかエロチックにも見えたのは、多分狙ってそういうふうに描いているのでしょうねえ。


ナインとツエルブが持ちだしたのはプルトニウムではなく原子爆弾だった? なるほど、それが2人の切り札だったのですか。ただ、それでも最終的な目的は不明です。ツエルブの「裏切り」で、ナインはどう動くのか。見逃せなくなってきました。