「ラストゲーム 6」

ラストゲーム 6 (花とゆめCOMICS)

ラストゲーム 6 (花とゆめCOMICS)


目下、「暁のヨナ」と並んで好きな少女マンガだったりします。金持ちイケメン秀才少年の柳くんは天然鈍感純真少女の九条美琴さんを、振り向かせることができるのか?


……あれ? こう書くとなんだか全然物語の良さを伝えられていないというか、むしろマイナス効果な気がしてきました。違うんです、上で書いた字面よりももっとこう、ハートフルでコミカルなマンガなんです。


とにかく、大学生になりながら恋愛事には鈍いを通り越してまったく感性が欠けているかのような美琴の天然さに、振り回される柳がおかしくもあり、不憫でもあり。でも本当に真面目で良い子なんですよ、美琴は。見た目も、マンガ上では普通に可愛いですしね(ただ、作中的には少なくとも美人ではないらしい。いささか不自然ではありますが、このへんは少女マンガのお約束ですか)。


しかしながら、ヒロインの美琴以上に本作の魅力を輝かせているのは、実は主人公の柳ではないかと思うわけです。この柳くん、上述のようにいろいろスペック高い人なのですが、性格的にはちょっと残念系なところもあり、完璧超人というわけではありません。でもそこが、男目線で見ても親しみが感じられるのですよ。根底ではまっすぐな性格で、基本「良いやつ」です。美琴が難攻不落すぎるだけに、応援したくなりますね。少女マンガでありながら「柳視点の少年漫画」としても機能しているあたりが、男性読者にも向く部分ではないかと。


さて、で、この6巻ですが、今回も安定の面白さ。小学校の同窓会では、夫婦状態な柳と美琴の姿がなかなか新鮮でした。周囲から見るともうすっかり恋人なんですね。当人たちは気づいていませんが、それだけ前進はしていると。いよいよくっつくのも時間の問題か、というところで相馬の美琴への告白が。


う〜む「負けない戦いはしない」と言っても、時には当たって砕けなければならないこともある、か(砕けること前提)。まあ、相馬はあれだけ2人に見せつけられてきたわけなので、このくらいしたってバチは当たりませんよね? とにもかくにも、また次巻が待ち遠しいです。