エース・岸孝之!

・「岸 ノーヒットノーラン達成!史上78人目 西武では渡辺久以来18年ぶり(スポニチ)


間違いなく今季ライオンズ一番のグッドニュース。エースの快挙が達成されました。思い起こせば18年前の渡辺久信ノーヒットノーランもテレビで見ていたものでしたが、まさか次の達成までにこれほど時間がかかろうとは。松坂が、涌井が、雄星が、そしてなんといっても西口が跳ね返され続けた壁を、岸は軽やかに、躍動感あるピッチングスタイルで乗り越えてくれました。おめでとうございます。


それにしても、ノーヒットノーランという記録はもちろんそれ自体が偉業ですが、今日の試合は岸にとっても、チームにとっても、それ以上の価値があったのではないでしょうか。僕には今日が、「岸がついに真のエースになった日」だと思えるのです。


岸が入団してから8年目。期待通りにルーキーイヤーから二桁勝利を上げ、08年の日本シリーズでは先発にリリーフにと快投してMVPに輝くような活躍を見せてきましたが、全体的には涌井の影に隠れ、「優秀な2番手」という評価がつきまといました。エース扱いをされるようになったのも涌井が不振に陥った12年頃からのことで、「繰上げエース」の感は否めませんでした。


しかし、今年の岸はひと味違います。今日もそうでしたが、何よりも生命線のストレートの威力がものすごい。もともとほれぼれとするような軌道のストレートを投げる投手でしたが、今年はスピードガンの数字も明らかに増しています。そして防御率1.66という安定感。先週は攝津に、今日は成瀬に投げ勝ちました。もう「エース対決に弱い」と言われた岸はいません。


僕の中では涌井の不振以来数年空白だったエースの座に、本日を持って岸が堂々就任です(本当は今年雄星にこの役を期待していたのですが、まだ早いのか……)。唯一心配なのは飛ばし過ぎによる失速ですが、打線とリリーフ投手はしっかり援護してやってください。