いまさらですが、桜Trickの8話が良かったと思う

もうだいぶん時間が経ってしまったので書こうか迷ったのですが、やはり流してしまうにはもったいないので、桜Trickの8話です。もっと言えば、Aパートの「桜色のウエディング」が特に良かったなと(Bパートと特殊エンディングも良好でしたが)。


春香が優を親戚の結婚式に誘い、優が自分たちの結婚式と勘違いしてOKするというドタバタでしたが、何が良いって、女性同士の結婚という構図が、なんの注釈もなくさらりと描かれていることですね。優の妄想した、2人のウェディングドレス姿もハマってました。


1話の最初から春香と優がキスを交わすなど、なかなか突き抜けた勢いを持っている本作ですが、特徴的なのはそこに「女の子同士なのに」的な悩み感がほとんど見当たらず、からりと明るく描写されていることありましょう。実に自然体です。


単に「百合美少女のキャッキャウフフを楽しむ作品だから深刻にしてないだけ」という味方も成り立つでしょうが、8話のようなエピソードを見ていると、こうした明るいタッチにすることで同性愛や同性婚に対する偏見を取り除いていこうという、作者やアニメ制作者の意思というのも、それなりに込められているのではないかと、そう思うのですね。ここまではっきりと表現しておいて、まったく無考慮とは考えにくいです。


まあ、こうした(主に)男性視聴者向けの作品に仕立てている時点で、現実と違う偏見であるという批判はあるのかもしれませんが、それを言ったら男女の恋愛ドラマだって大抵美男美女の現実離れしたエピソードだったりするしなあ、と。商品化されるお話というのは、ある程度美化とか娯楽性とかが優先されるのはしかたなく、その中でどれだけ色を出していくかということではないかと思います。


ところで、この8話について「かいがいの」における海外視聴者のコメントで「2009年から日本国民も、同性婚が合法な国なら同性婚が認められるようになった。」とあって「えっ?」と思ったのですが、ちょっとネットで調べて見た限りでは、微妙な扱いのようですね。


同性婚 4〜同性婚制度がある国の人と日本人との結婚は?〜(法、納得!どっとこむ)


つまり、合法な外国での同性婚自体はできるが、日本において有効な結婚と認められるかどうかはなんとも言えないと。安倍首相もあれだけ改憲を主張するのなら、24条も改正して「両性の合意」から「両者の合意」にでも変えれば良いのにと思うのですが、自民党同性婚には消極的なようです。日本ではキリスト教圏やイスラム教圏のように宗教による同性愛のタブーが無いのに、なんでこんな状況なんでしょうね。不思議ですよ。


ちょっと話が離れてしまいましたが、そういうことまで調べされ、考えされるくらいには今回のエピソードはパワーを持ってるなと。いつか、遠くない日に春香と優が本当に結婚できれば良いなと思いました。