川上哲治さんの死、上原の快投

日本シリーズもたけなわですが、他に大きなニュースが2つあった野球界でした。一つは川上哲治さんの逝去。現役時代はおろか、監督時代も直接には存じませんが、言わずと知れた「打撃の神様」。そして引退後も巨人不滅の∨9を導いた大監督として、日本野球の発展に多大な貢献をされました。


「ボールが止まって見えた」という言葉はあまりにも有名。まあ、これは同じく強打者の小鶴誠の言葉だったという説もあってどちらが正しいのかは分かりませんが(もしかしたら、2人とも同じことを言ったのかもしれません)、川上の言葉として人口に膾炙したということは、やはりそれだけの説得力を持った能力を、氏が有していたからでしょう。大体424打席で6三振(51年)というのはありえない数字です。いくら三振が少なめな当時と言っても、別格のバットコントロールがうかがえますね。


近年では表舞台では見かけなくなっていたとはいえ、なんとなく100歳でも110歳でもお元気そうなイメージがあっただけに、驚きであり、残念です。これで日本プロ野球の創世記を知る人がまたいなくなってしまったのだなと。逆に言えば、それだけ日本野球の歴史が深まっているということでもあるのでしょうが。


さて、川上さんの話が長くなりましたが、もうひとつのニュースはレッドソックスワールドシリーズ制覇。なかんずくクローザー・上原浩治の獅子奮迅の活躍ぶりです。ここ数年、地味ながらも中継ぎでの上原の活躍ぶりは野球ファンには知られていたところですが、38歳にして最高のシーズン、名実ともにトップに上り詰めましたね。素晴らしいです。


日本時代から四球の少なさは評価されていましたが、「コントロールが良いというより、単純にストライクゾーンに投げているだけ」などという意地悪な評価を見たこともありました。しかし、その力が本物であったことは、すでに十分すぎるほど証明されたと言えましょう。それにしても、ルーキー時代に並び称された上原と松坂が、すれ違いとはいえともにレッドソックスで活躍(松坂は尻つぼみでしたが、あえて「活躍」と評したいです)するとは、何やら因縁を感じてしまいます。松坂も来季は完全復活頼むよ。


ともあれ、今はお疲れ様、おめでとうというばかりです。