石井一久、引退

【西武】石井一が引退、吉本興業へ(日刊スポーツ)


一時代を築いた名投手がまたひとり去りますか。今シーズン何度か登板し、ベテランの味は見せたものの、さすがに球威の衰えは否めませんでした。それでも、もうちょっと頑張るかと思いましたが、いさぎよい「らしい」引き際です。


なにしろ西武黄金時代の秋山、清原、デストラーデとも対戦していた人ですからね、彼は。メジャーでも通算39勝と存在感を見せましたが、やはり一番イメージが残るのは「ヤクルトの石井」です。150キロを超すストレートと、切れ味するどいスライダーを武器に三振の山を生み出した、ロマンあふれる豪腕。97年に追いすがる横浜の息の根を止めたノーヒットノーランは今でも語り草ですね。日本シリーズでの西口との投げ合いも名勝負でした(未だに決勝ソロのテータムの名前を覚えている西武ファンは多いことでしょう)。その二人が10年後に同じチームになるとは、思ってもいませんでしたよ。


07年オフに、石井がFA宣言をした時に、西武にしては非常に珍しく速攻で乗り出し契約をまとめたわけですが、あの動きの良さは今から振り返ってもちょっと不思議ではあります。渡辺監督の就任に合わせてのプレゼントだったのでしょうか。人的補償で福地を獲られたのは痛かったものの、結果的には11勝をあげて日本一に貢献、その後も思った以上に長く活躍してくれて、大成功の補強となりました。おまけに菊池雄星にも師匠役としてアドバイス。覚醒に一役買ってくれたようです。菊池は入団時にはどちらかと言うと工藤のことを目標にしていた感じでしたが、タイプ的にはどうみても石井のほうが近いですからね。良い師弟関係だと思います。菊池には石井を超える名投手に育ってもらいたいものです。


なお、そんな石井の次の道は吉本興業の職員ということで。これはさすがに予想外でしたが、きっとまたひょうひょうと頑張ってくれることでしょう。