大ベテランの夏

菊池雄星が左肩痛で登録抹消。どうも一ヶ月ほど前から自覚症状があったようで、黙っていたのはいただけません。はたから見てもおかしかったのですから、ちゃんと申告しないと。これでは怪我を隠してズルズル悪化したルーキーイヤーの反省がなってないと言われてもしかたありませんよ。


菊池に加え、前半戦に奮闘してきた野上や十亀もここに来て疲れが見えてきました。やはり一年間ローテを守ったことのない経験の薄さは否めません。こんな時こそ、百戦錬磨のベテランの出番というもの。本日の先発マウンドは、ライオンズ一筋19年の大ベテラン・西口文也。今季初のお目見えとなりました。


立ち上がりこそ久々の緊張のためか不安定でしたが、無死1・3塁のピンチを無得点で切り抜けると、次第に持ち味を発揮。球速こそせいぜい130キロ半ばでしたが、この球威では通じないというと判断するや、徹底した変化球攻めで打者を翻弄します。110キロ台、120キロ台は当たり前のスライダー、フォーク、チェンジアップを駆使。いつもながらのひょうひょうとした雰囲気で日本ハム打線を封じ込め、5回2/3を無失点。見事に先発の役割を果たしました。


いやほんと、ベテランの味と言いますか、投げてるボール自体はさほどすごいものに見えないのに、抑えちゃうんですねえ。真ん中高めの緩いボールであっさりとストライクを取ってしまうというのは、長年鍛え上げた、打者の打ち気を察する能力なのでしょうか。さすがとしか言いようがありません。残念ながら(そして例によって)後続が打たれて勝ち投手になれませんでしたが、その健在ぶりだけで嬉しいってものです。


そして最近では、同じく大ベテランの石井一久も中継ぎとして奮闘中。なんだかもうすっかり体が重そうになっちゃってるんですが(汗)、こちらも円熟の投球を見せてくれています(今日は打たれてしまいましたが……)。


彼らのようなベテランの姿を見ることは、若い頃からの移り変わりを共に過ごしてきたような感慨深いものがありますね。それもまた野球の楽しみ方の一つなのでしょう。今後もまだまだ頑張ってもらいたいものです。