オールスターだ!

去年も書いたような気がしますが、交流戦の実現で「夢の対決」という価値が下がった感は否めないオールスター。とはいえ、いざ見てみるとやっぱり、12球団のスター選手が勢揃いした光景は壮観なものがあります。それに、選手たちも普段の硬い表情が崩れて、心底野球を楽しんでプレーしているのが分かる。もちろん、公式戦での真剣な表情もプロの魅力ですが、時にはこうした姿を見られるのも、それはそれで嬉しいものです。


圧巻だったのは田中。150キロ超のストレートと変化球で、全く打たれる気配がありませんでした。大谷も二刀流・最速157キロと盛り上げてくれましたが、やはりストレートの「質」の差というのはあるものだなと思わされましたね。その他にも、速球自慢の投手陣がガンガン投げ込んでいく姿は、日本野球もなかなかパワーピッチングが出来るじゃないかと楽しくなりました。もっとも、オールスターだからといって直球ばかりというのも芸がないもので、田中がブランコを三振に切ってとったスプリットや、三浦が投げた超スローボールは見事でした。


……余談ながら、近年「フォーク」は「スプリット」に、「シュート」は「ツーシーム」にと、呼称が変化しつつある気がします。そのうちこれらは「ドロップ」みたいな歴史的用語になってしまうのかもしれません。


一方で、西武ファンとして気がかりだったのは菊池雄星。大谷ほどとはいかなくても、150キロを越してくるかと思われましたが、最速145キロ止まりで、明らかに勢いがありませんでした。後半も活躍を期待したいのですが、ちょっと心配です。


割と緊迫した熱戦でしたが、3試合は多すぎるというのは多くの人の感覚でしょう。漫然とセリーグパ・リーグで行うだけでなく、折角の機会なので、色々趣向を凝らしてもらいたいところ。昔チャリティーでやったみたいに、日本人対外国人対決ですとか、若手対ベテランですとか、出身地別ですとか。そちらのほうが絶対に注目度が高まると思うんですけどね。