プロ野球 パ・リーグ戦力分析2013 その5・その6

埼玉西武ライオンズ
○2012年成績 72勝63敗9分 2位 516得点(1位) 518失点(5位) 得失点差 -2
主な戦力異動:
+サファテ、スピリー、金子
−中島、中村(前半戦)


昨年、得失点差マイナスで2位はすごいかも。逆に言えば、たまたま上手くいっただけという見方もでき、もしそうなら中島のいなくなった今季はどうなることかと心配になります。


投手については、開幕時に限れば実はここ数年でもかなり良い状況です。岸・牧田の両輪は安定感があり、計算できる。涌井も、かつてのような力を出せていないのが歯がゆいですが、そこそこにはやれるでしょう。この主軸3人に加え、期待の菊池、頭角を現してきた野上、十亀の若手3人を加えた6人が当面のローテ。大ベテランの石井と西口がバックアップに回れるのが安心感です。


毎年課題のリリーフは、サファテを獲得して大丈夫と安心していたのですが、オープン戦ではイマイチ調子が上がらず。結局抑えは大石に任せることになりそうです。もちろん大石も期待大の若手ですので楽しみですが、実績はないのでどうなりますやら。長田、岡本篤、ウィリアムスらベテランがしっかりサポートしてあげて欲しいもの。ドラ1の増田もシーズン中に上がってきてくれれば。


問題なのが野手です。メジャー移籍の中島に加えて中村も故障で前半戦は絶望。不動の3・4番を失った打線はなんとオープン戦18試合で本塁打1本、シーズン換算にして8本というおそろしい数字を記録してしまいました。ここ10年西武は強打のチームでしたが、今年は看板を下ろさないといけないかもです。まあ代わりに打率と盗塁数はトップなんですけどね。


ただし、暗い話題ばかりではありません。西武お得意の若手野手育成は今年も着々と進んでいます。すでにレギュラー格の秋山・浅村に加え、まだ時間がかかるかと思われた2年目の永江がオープン戦でアピールして開幕ショートの座を奪取。ルーキーの金子も開幕スタメンに名を連ねようという勢いです。このへんはやはり楽しみ。あとは4番を張ることになるオーティズとキャプテン栗山がいかに得点を叩きだしてくれるかです。スピリーも当たってくれればよいのですが、現段階ではなんとも。果たして機動力野球が上手くハマってくれるかが焦点となりそうです。


渡辺監督も就任6年目。4年連続の∨逸でいよいよ勝負の年となりました。しかし例年以下の長打力はいかにも厳しい。もし今年西武が優勝するとなれば、投手陣の一層の奮起が必要となることでしょう。特に菊池・大石の「6球団競合コンビ」がその真価を発揮することが出来るか。そこに命運がかかっています。


【評価】 投手☆☆☆+  野手☆☆+  総合☆☆☆




北海道日本ハムファイターズ
○2012年成績 74勝59敗11分 1位 510得点(2位) 450失点(2位) 得失点差 +60
主な戦力異動:
木佐貫、大引、大谷、アブレイユ
−糸井、田中、スレッジ


正直いって、昨年の日本ハムにそれほど「強い」という印象は受けませんでした。4月にスタートダッシュに成功して、あとはなんとなく5割をキープして、9月にするするっとスパートをかけて、終わってみたら一番上にいた、という感じ。圧倒的な戦力というわけでもないのにしっかり勝つ、というのは、分かりやすい強さより脅威かもしれません。得失点を見てもバランスの良さが分かります。しかし、今年はそのバランスに変動が生じる可能性も。言うまでもなく、田中と糸井の移籍です。


というところで野手ですが、上記の2人の穴はどのくらいかというと、チームRC556分の150。単純に考えて、攻撃力の4分の1程度が失われる計算です。もちろん、その分他の野手が埋めていくのでそのままマイナスにはなりませんが、守備面も含めて大きいことには間違いありません。両名のみならず、金子や稲葉の年齢を考えると、メンバーがかなり入れ替わる可能性があります(稲葉はまだまだ元気そうですが)。年々力をつけている陽と中田は、主軸として昨年以上の活躍が求められそうですね。


投手では、まず心配された吉川がなんとか間に合いそう。とはいえ、去年の活躍が鮮烈だっただけに、それ以上を望むのは酷というものでしょう。以下、武田勝、ウルフ、木佐貫、谷元、中村勝らとなかなかのローテです。そして優勝を支えたリリーフ陣は、増井、モルケン、石井、宮西(ちょっと出遅れるっぽいですが)らが健在。ただ、抑えの武田久は小柄な体で例年フル回転、そろそろくたびれてきてもおかしくはないなという気はします。


去年就任1年目でリーグ優勝を達成した栗山監督ですが、「1年目で優勝」というと、翌年以降落ちてしまうイメージがあるのは僕が西武ファンだからでしょうかね(汗)。コーチ陣もだいぶ入れ替わったようですし、真価が問われる2年目となりそうです。


最後になりましたが大谷。今季の戦力としては分析に含めてはいません。まずはじっくりプロと二刀流に慣れてくれればと。ただ、「打者としてならすぐ通用する」との評判だったのも事実。もし一気にレギュラー獲得なんてことになれば、チームは一気に連覇に近づくことでしょう。



【評価】 投手☆☆☆☆  野手☆☆☆  総合☆☆☆+